算木(読み)さんぎ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

算木(易占)
さんぎ

易者が筮竹(ぜいちく)を使って易占をするとき、自己の記憶のためと客に結果を示すため、6個の長方形の小さな木片を並べる、その木片をいう。中国古代の占いの手段には、亀甲(きっこう)や獣骨を火であぶり、できたひび割れの状態から判断する卜(ぼく)と、メドギ草の茎を使って計算する筮という方法とがあった。そのうち筮のほうが複雑で神秘性があったためか、計算のなかに合理性を感じたためか、いくつもの流派ができて発達した。
 易の基本的な考え方では、宇宙は陰陽の二元から成り立っており、人間の運命も当然それに左右されているものであるから、易の数によって人の未来を予知できるとする。易の基本になる八つの図形を八卦(はっけ)といい、それを組み合わせたものが64卦ある。易占の方法としては、メドギ草の茎から発達した50本の筮竹を操作して、六十四卦のなかから一つの卦を求め、その卦についた経句を解釈して占う。
 算木の大きさに規格はないが1センチメートル角に長さ6センチメートルほどのものが多く使われる。算木は2面を真っ黒に塗り、他の2面は黒地の中央に溝をつくって黄や赤を塗る。真っ黒な面は陽を表し、他の面は陰を表す。筮竹の操作は、簡略なものでも6回、本格的な場合は18回も同じ操作を繰り返すが、1回ごとに算木を動かして、表れた形を読み取る。占いの操作は複雑であっても、結局は偶然に左右されるものであり、判断の基準とされる経句も、いくつもの解釈が可能である。現代日本の易者風俗は、夕方から街角に机を置き、ほの暗い行灯(あんどん)を置いて手相・人相・骨相などとともに筮占を行う。依頼者の側はさまざまであるが、なにか心に悩みや迷いのあるとき、判断を偶然のなかに求めようとする。易者は会話やそぶりのなかから、ことばを選択することがありえよう。もちろん遊びと心得る人が多いが、いくつもの大学に易占の同好会があり、若い世代にも人気がある。通俗的な解説書も多く出回っている。[井之口章次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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