節折(読み)ヨオリ

精選版 日本国語大辞典 「節折」の意味・読み・例文・類語

よ‐おり‥をり【節折】

  1. 〘 名詞 〙 宮中で、毎年六月・一二月の晦日、天皇の体を測り、竹の杖の節の間を折って、祓えを行なう行事。同様に中宮東宮の祓えを行なう中宮節折や東宮節折もあった。《 季語・夏/冬 》
    1. [初出の実例]「神祇官依穢候陣外、有行参入、有節折事、東宮御服、不贖物」(出典西宮記(969頃)四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「節折」の意味・わかりやすい解説

節折
よおり

天皇、皇后、東宮の背丈を竹の枝で測り、穢(けがれ)を祓(はら)う儀式。6月、12月の晦日(みそか)、大祓(おおはらえ)ののちに行う。「よ」は竹の節を意味し、中臣(なかとみ)の女(むすめ)が荒世(あらよ)・和世(にぎよ)の竹の枝を用いて身長を測り、その寸法にあわせて竹を切ることから節折という。天皇は宮主(みやぬし)(神主)による祓を行われ、その竹を河に流す。身長は五度によって測られる。まず身長。ついで両肩より足、左右の手。胸から指先。腰から足指。膝(ひざ)から足、までの五度である。平安時代中期より始まり、応仁(おうにん)の乱(1467~77)で中絶、1871年(明治4)に復興した。

山中 裕]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「節折」の意味・わかりやすい解説

節折
よおり

御贖 (みあが) の儀ともいう。毎年6月と 12月のみそかの大祓の日の夜に,宮中で天皇皇后,東宮 (→春宮 ) のために行われる祓式の一種。神祇官のすすめる小竹9本を使って,身長および両肩より足まで,胸から左右の手先まで,左右の腰から足まで,左右の膝から足までをそれぞれはかり,その個所を折るところからこの名がある。はかったあと神祇官の宮主 (みやじ) が祓をした。

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