デジタル大辞泉
「粃」の意味・読み・例文・類語
しいな〔しひな〕【×粃/×秕】
1 殻ばかりで中身のないもみ。
2 うまく実らないで、しなびてしまった果実。
3 中身のないもの。価値のないもの。
「勘平は四十七騎の―なり」〈柳多留・五〇〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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しいなしひな【粃・秕】
- 〘 名詞 〙
- ① からばかりで実のない籾(もみ)。十分にみのっていない籾。しいだ。しいなし。しいなせ。しいら。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
- ② 草木の果実のよくみのっていないもの。転じて、中身の欠けているもの。からっぽのもの。価値のないもの。
- [初出の実例]「いかつがましく荷を取出し見せるに、みな名聞念仏にて、三駄ながら粃(シイナ)なり」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)四)
しいら【粃】
- 〘 名詞 〙 =しいな(粃)
- [初出の実例]「不穀と云は、大夫に向いて君が吾が身を云ことばぞ。みのらずと云ふ心ぞ。しいらのやうな者と、卑下して云ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)一〇)
みよさ【粃】
- 〘 名詞 〙 殻ばかりで実のない籾(もみ)。しいな。みよし。
- [初出の実例]「心より起らぬからに道心の菩提の種もみよさなるべき」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「粃」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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粃 (しいな)
稔実不良のもみのことで,脱穀機や唐箕(とうみ)で風選すると飛んでしまう。もみがらの中がまったくからなもの(不稔という)ときわめて貧弱な実が入っているもの(発育停止という)とがある。不稔は受精しなかったもので,めしべがしなび胚乳も胚も発育せず,まったくからっぽにみえる。発育停止は,受精したが玄米の発育のきわめて初期に発育が止まったものであるので,不稔と違って胚乳も少し発育して,デンプンもたまっており,胚も小さいながら発育している。しいなのできる原因にはいもち病やメイチュウなどの病害虫も関係するが,(1)不稔は開花期に冷害や干ばつあるいは台風や冠水などの障害をうけると開花や受精がさまたげられて発生する。(2)発育停止は出穂後20日ぐらいの間に,イネが衰えたり,穂の方へいく養分が少なくなると発生する。また不良天候が続いたり,イネが倒伏したり,水に浸ったりすると発生する。
執筆者:竹生 新治郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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粃
しいな
immature
稔実不良の籾のこと。穀類の穎果の中には籾殻だけがあって子実の充実していないものが出る。これは開花時の低温,降雨,過度の乾燥などのため受精しなかった場合とか,受精後に養分が不足するなど,養分の転移が妨げられたときに生じる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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