出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
稔実不良のもみのことで,脱穀機や唐箕(とうみ)で風選すると飛んでしまう。もみがらの中がまったくからなもの(不稔という)ときわめて貧弱な実が入っているもの(発育停止という)とがある。不稔は受精しなかったもので,めしべがしなび胚乳も胚も発育せず,まったくからっぽにみえる。発育停止は,受精したが玄米の発育のきわめて初期に発育が止まったものであるので,不稔と違って胚乳も少し発育して,デンプンもたまっており,胚も小さいながら発育している。しいなのできる原因にはいもち病やメイチュウなどの病害虫も関係するが,(1)不稔は開花期に冷害や干ばつあるいは台風や冠水などの障害をうけると開花や受精がさまたげられて発生する。(2)発育停止は出穂後20日ぐらいの間に,イネが衰えたり,穂の方へいく養分が少なくなると発生する。また不良天候が続いたり,イネが倒伏したり,水に浸ったりすると発生する。
執筆者:竹生 新治郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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