経ヶ岳(読み)きようがたけ

日本歴史地名大系 「経ヶ岳」の解説

経ヶ岳
きようがたけ

北東に流れる横川よこかわ川の源の山で、木曾山脈北部の山塊の中心。標高二二九六メートル。北は尾根が二つに分れて横川川の谷を挟んで北に延び、南は権兵衛ごんべえ峠の鞍部となっている。

横川川の谷の奥十二洞じゆうにほらは、江戸時代は高遠藩の御立山で寛政一一年(一七九九)六月、藩では横川山の検分を行った。その時の「横川山巡覧記」(蕗原拾葉)に「きやふケ岳」の山名がみえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「経ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

経ヶ岳
きょうがたけ

福井県、大野盆地東方大野・勝山両市の境界にそびえる山。標高1625メートル。加越(かえつ)山地中の白山(はくさん)系火山で、山地の基部をなす1000メートル級の中生層の上にのる。山頂の南西部は大きく欠けて唐沢(からさわ)となるが、この谷は大量の火山泥流が流れた跡で、その押し出しは山麓(さんろく)に六呂師(ろくろし)高原をつくり、先端は九頭竜(くずりゅう)川を越えて塚原野(つかはらの)となった。西に連なる法恩寺(ほうおんじ)山(1357メートル)などとともに白山国立公園に属する。

[島田正彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

経ヶ岳
きょうがだけ

福井県北東部,大野,勝山両市の境にある山。白山火山群の1峰。標高 1625m。噴火は9~10世紀といわれ,多量の火山泥流が六呂師高原や大野盆地の塚原野の泥流地形をつくった。現勝山市の平泉寺一向一揆戦火で焼かれた際,山頂に寺の経典を埋めたとの言い伝えもある。白山国立公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「経ヶ岳」の解説

経ヶ岳

(福井県大野市)
ふるさと福井の自然100選指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の経ヶ岳の言及

【多良岳】より

…山体上部には東西6.5km,南北4kmにおよぶ凹地形があるが,これがカルデラであるか,単なる浸食地形であるかは不明。この凹地形の縁をなすように,遠目岳(849m),最高峰の経ヶ岳(1076m),多良岳(983m),五家原(ごかばる)岳(1058m)などの峰が連なる。山体主部はおもに角セン石安山岩質の火砕岩類と溶岩からなるが,山麓には基盤岩類とともに新期の玄武岩質溶岩が分布しており,有明海に面した竹崎はスコリア(岩屑)丘の形態をとどめている。…

【木曾山脈】より

…中央アルプスが北アルプスと南アルプスの中間的位置にあり,しかも地塁山脈であることは,展望をさまたげる前山がなく,北アルプス,南アルプスの山並みを一つの山頂から望むことができるため,登山,レクリエーション地としてすぐれた条件となっている。 山稜の連続性から,木曾山脈を北部(権兵衛峠以北)の経ヶ岳地区(断層地塊),中央部(権兵衛峠~清内路(せいないじ)峠)の駒ヶ岳地区,南部(清内路峠以南)の恵那山地区に区分できる。北部の経ヶ岳および南部の恵那山両地区の標高は,いずれも2300m以下である。…

※「経ヶ岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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