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緊急調整 きんきゅうちょうせい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

緊急調整
きんきゅうちょうせい

公益事業での争議行為により国民経済の運営が著しく阻害されるおそれがあるとか,国民の日常生活が危うくなると考えられる場合にとられる調整行為。労働関係調整法 35条の2により,総理大臣中央労働委員会の意見を聞いて決定することとされている。

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デジタル大辞泉の解説

きんきゅう‐ちょうせい〔キンキフテウセイ〕【緊急調整】

公益事業などの大規模な労働争議を調整する制度。争議が国民生活を著しく阻害するおそれのある場合、内閣総理大臣中央労働委員会の意見を聞いて決定し公表する。これにより、争議行為は50日間禁止され、その間に解決のための調整が行われる

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百科事典マイペディアの解説

緊急調整【きんきゅうちょうせい】

公益事業,大規模もしくは特定性質の事業における争議行為のうち,国民経済の運行を著しく阻害し,または国民の日常生活を著しく危うくするおそれが現実に存する場合,内閣総理大臣が中央労働委員会(または船員中央労働委員会)の意見をきいて,調整のため50日間争議行為を禁止する制度。
→関連項目ゼネストタフト=ハートリー法労働争議

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世界大百科事典 第2版の解説

きんきゅうちょうせい【緊急調整】

労働争議が異常な規模・性質となり,国民経済・国民生活に著しく重大な影響を与えかねなくなった場合の非常措置として労働関係調整法(35条の2~5,38条,40条1項)により用意された緊急の労働争議調整方法。1952年の占領体制終了にともなう法改正で新たに設けられたが,同年末の石炭争議時に一度発動されただけで,それ以降はいわば非常事態に対する〈伝家の宝刀〉としてのみ存在している。緊急調整の決定から50日間は関係当事者が争議行為をすることが禁止され,その違反は刑事制裁(罰金刑)に処されるだけに,たとえ緊急事態から国民経済・国民生活を防御するためとはいえ,その発動はきわめて慎重になされるべきだからである。

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大辞林 第三版の解説

きんきゅうちょうせい【緊急調整】

〘法〙 国民の日常生活・経済を著しく阻害するおそれのあるような公益事業または大規模産業における労働争議について行われる調整。労働関係調整法に基づき内閣総理大臣が決定し、中央労働委員会が事案の解決を図る。緊急調整の決定が公表された日から50日間労働争議が禁止される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

緊急調整
きんきゅうちょうせい

公益事業、大規模な事業あるいは特別の性質の事業における争議行為の発生に際して、国民経済・生活を著しく危うくするおそれが現実にある場合、中央労働委員会中労委)の意見を聴いて内閣総理大臣が決定する労働争議調整方法。この制度は、1952年(昭和27)の労働関係調整法(昭和21年法律第25号)の改正に際して新しく導入されたものである。旧労働関係調整法は、公益事業での争議行為について、事前に労働委員会に調停を申請すること、および所定の手続後30日を経過して初めて争議行為を実行できることを定めていた。国家公務員法および公共企業体等労働関係法(1986年国営企業労働関係法、2001年より国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律、2003年より特定独立行政法人等の労働関係に関する法律に改称)の制定・改正に伴い、労働関係調整法改正においては、公益事業およびそれに準ずる事業における大規模な争議行為をどう規制するかが問題となった。その結果、労働省(現、厚生労働省)内部に審議会を設けて検討がなされたが、最終的には意見の一致がみられず、労働省が審議会の公益委員の意見を参考にして導入したのが現行の緊急調整制度である。
 労働関係調整法は緊急調整の手続について次のように定めている。公益事業およびそれに準ずる事業における争議行為による業務の停止が、「国民経済の運行を著しく阻害し、又は国民の日常生活を著しく危くする虞(おそれ)があると認める事件について、その虞が現実に存するときに限り」、内閣総理大臣は緊急調整を決定できる(35条の2)。そして内閣総理大臣は、緊急調整の決定を行うときには、あらかじめ中労委の意見を聴かなければならず(35条の2第2項)、決定を行ったときには、ただちに理由を附してその旨を公表し、同時に中労委および関係当事者に通知しなければならない(35条の2第3項)。この通知を受けた中労委は、ほかのすべての事件に優先して当該事件を処理する(35条の4)。
 中労委がとるべき処理方法としては、
(1)斡旋(あっせん)
(2)調停
(3)仲裁
(4)事件の実情調査および公表
(5)事件解決に必要な措置の勧告
の五つの手段がある(35条の3)。そして緊急調整決定の公表があれば、関係当事者は公表の日から50日間は争議行為を禁止される(38条)。違反には刑罰が科せられる(40条)。
 この緊急調整制度は、いわゆる「ゼネスト禁止法」案の代案として導入された経緯にみられるとおり、大規模な労働争議に国家が介入することを認めるものである。本来、労働争議は、労使が自主的に解決することが原則である。したがって、緊急調整制度はきわめて例外的なものであり、実際、これまで1952年の炭労(日本炭鉱労働組合)ストライキの際に発動されたことがあるだけである。[村下 博・吉田美喜夫]

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世界大百科事典内の緊急調整の言及

【労働関係調整法】より

…一度仲裁申請をすると事件が全面的に第三者の手に移ってしまうことから当事者が躊躇することが多く,なかなか利用されないのが日本の実情である。以上の通常の調整手続のほかに,緊急時のものとして緊急調整制度がある(4章の2)。異常な規模・性質の労働争議が国民経済・国民生活を著しく脅かすような事態があるとき,内閣総理大臣が中央労働委員会の意見を聞いたうえで決定をし,50日間当該争議行為を禁止しつつ,その間に中央労働委員会が最大限の努力をして争議調整に至ろうとするものである(これまでに,1度だけ発動された)。…

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