総合取引所(読み)ソウゴウトリヒキジョ

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

総合取引所

株式や株価指数から、金や大豆などの商品先物まで幅広い金融商品を扱う取引所。従来はそれぞれ別の取引所で扱うのが一般的だったが、欧米などでは統合が進んでいる。投資家が様々な商品に効率よく投資できるため、取引が増える効果があるとみているからだ。日本でも2007年に総合取引所構想が閣議決定されたが、具体化されていない。今年6月に改定された政府の成長戦略には「可及的速やかに実現する」と明記された。

(2014-09-25 朝日新聞 朝刊 1経済)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

総合取引所
そうごうとりひきじょ
integrated exchange

証券、金融派生商品(デリバティブ)、商品先物を一括して取り扱う取引所。株式や債券などの証券、先物やオプションなどの金融派生商品、金や原油、電力、レアメタルなどの工業品、小麦やトウモロコシ、コーヒーなどの農産物、二酸化炭素排出量などの売買を幅広く扱う市場をさす。投資家や利用者が一つの口座で証券や金融派生商品、商品を売買できるため、税制上の損益通算が可能で利便性が向上する。投資勧誘などに関する規制も容易になり、取引所にとっても、取引システムや清算システムを共通化でき、設備投資コストを節減できる利点がある。また、取引所の総合化には、企業が資金を調達しやすい場(取引所)を提供し、個人や企業の金を投資へ誘導するとともに、世界の取引所間競争に打ち勝つねらいもある。このため世界トップクラスの欧米の取引所は総合取引所が主流となっている。
 日本では、第一次安倍晋三(あべしんぞう)内閣が2007年(平成19)に策定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に初めて総合取引所の創設構想が盛り込まれた。2009年には金融商品取引法を改正し、持株会社や子会社化を通じて証券取引所と商品取引所のグループ化を可能にした。2012年には総合取引所創設を可能とし、その監督権限を金融庁に一元化する改正金融商品取引法が成立。2013年には東京証券取引所と旧大阪証券取引所(現、大阪取引所)が統合して日本取引所グループ(JPX)が誕生し、工業品や穀物などの商品取引所も東京商品取引所などへの再編が進んだ。しかし、金融庁が日本取引所と東京商品取引所の統合による総合取引所創設に意欲的なのに対し、東京商品取引所を所管する経済産業省が慎重であるため、2014年11月時点で実現していない。日本取引所と東京商品取引所は早期の経営統合を迫られており、自由民主党の一部には、経済産業省などの承認がなくても商品取引所を新設できる議員立法を提出する動きもある。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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