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緑内障(青そこひ) りょくないしょうあおそこひ Glaucoma

翻訳|Glaucoma

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家庭医学館の解説

りょくないしょうあおそこひ【緑内障(青そこひ) Glaucoma】

◎眼圧が上がり、ひとみが緑色に
[どんな病気か]
◎原因のほとんどが隅角(ぐうかく)の故障
[原因]
◎種類によって異なる症状
[症状]
◎眼圧を正し、視野の悪化を防ぐ
[治療]
[日常生活の注意]

[どんな病気か]
 緑内障は、眼球の内圧(眼圧)が高まるために、視神経が障害されて、しだいに視野が欠けていく病気です。
 40歳前後からおこる頻度が高くなり、1988~89年の疫学調査では、40歳以上の約3.5%、約194万人がかかっているとされています。
 緑内障は、急性と慢性の2つに大きく分けられます。
■急性緑内障
 眼圧の急激な上昇によっておこるもので、緑内障発作(りょくないしょうほっさ)とも呼ばれます。本来、透明な角膜(かくまく)が浮腫(ふしゅ)(むくみ)のためにガラスに息を吹きかけたようにくもり、瞳孔(どうこう)(ひとみ)が開き、緑色に見えます。このため、俗に青そこひといわれます。適切な処置をしないと2~3日で失明(しつめい)します。
■慢性緑内障
 徐々に視野が欠けていきますが、ほとんど自覚症状がなく、視力も最後まで保持されるため、なかなか発見されにくいのが特徴です。

[原因]
 眼球がその形を保ち、機能を正常に維持するためには、一定の眼圧が必要です。この眼圧は、房水(ぼうすい)と呼ばれる液体の産生と排出のバランスによって15mmHg(水銀柱)前後に保たれています。
 房水は毛様体(もうようたい)でつくられ、後房(こうぼう)~瞳孔(どうこう)~前房(ぜんぼう)と流れ、隅角(ぐうかく)と呼ばれる排出路から眼球の外へ出ていきます。緑内障は、ほとんどが、その房水の排出路の故障によっておこります。
 故障には、隅角が虹彩(こうさい)の根元によってふさがれる閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)と、隅角の排出路の機能に異常がおこる開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)とがあります。どちらも房水がうまく流れ出ないで眼球内にたまるため、眼圧が上がります。
 このほかに、隅角の先天的な発達異常による先天緑内障や発育異常型緑内障(はついくいじょうがたりょくないしょう)、眼圧は高くても目の機能に異常がない高眼圧症(こうがんあつしょう)、眼圧は正常なのに視神経が弱く緑内障となる正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)がありますが、なぜこのような緑内障になるのかの原因はわかっておらず、生まれつきの素因に老化現象が加わって発病すると考えられています。

[症状]
 ひとくちに緑内障といっても、その種類によって、出現する症状はさまざまです。
■閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)
 急性と慢性で異なります。急性閉塞隅角緑内障は、頭痛、眼痛、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)が急におこり、頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)など内科の病気とまちがえやすいため、初期の治療が遅れて失明(しつめい)に至ることがよくあります。
 結膜(けつまく)(白目(しろめ))が赤く充血し、角膜(かくまく)(黒目(くろめ))が濁り、瞳孔(どうこう)(ひとみ)が大きく開き、視力も低下してきます。本人は気分が悪いので目を閉じているため、この目の症状に周囲の人が気づかないこともあります。
 おもに夜間におこることが多く、散瞳(さんどう)(瞳孔が開く)をきっかけにおこります。暗いところや薬物(かぜ薬、精神安定剤など)による散瞳、長時間のうつぶせ、大量の水分摂取、白内障(はくないしょう)の進行などの誘因があります。
 慢性閉塞隅角緑内障(まんせいへいそくぐうかくりょくないしょう)は、眼圧は上がりますが無症状で、徐々に視野欠損を生じます。ときどき電灯のまわりに虹(にじ)が見えたり(虹視症(こうししょう))、軽い充血、眼痛がおこります。欧米人に比べ日本人に多く、また女性に多い傾向があります。ときに急性緑内障発作になることがあります。
■開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)
 眼圧は上がりますが最初は無症状です。徐々に進行し、目が疲れやすい、目がかすむ、頭が重い、電灯のまわりに虹が見えるという症状(虹視症)が現われ、しだいに視野(見える範囲)欠損が生じ、ついには視力が衰えます。
 40歳以上の人の有病率は0.58%ですが、しばしば眼精疲労や老視と誤解され、手遅れになる傾向があります。とくに、近親者に緑内障の人がいる場合は発症率が高くなるので、一度は眼科医の診察を受けるべきです。
■正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)
 日本人にもっとも多い緑内障で、40歳以上の有病率は約2%です。開放隅角緑内障と同様、自覚症状に乏しく、眼圧は正常なのに、緑内障性の視神経視野障害となるものをいいます。眼圧が平均値より低くても、視神経が耐えられる眼圧には個人差があるため、人によってはその眼圧(健常眼圧)が低く、視神経が障害される場合があります。このような場合には、緑内障の治療を受け、さらに眼圧を下げる必要があります。
■高眼圧症(こうがんあつしょう)
 眼圧が基準値より高いのに、目の機能に異常が出ないものをいいます。とくに治療の必要はありませんが、経過観察中に開放隅角緑内障になることもあるため、目の機能に異常がなくても定期的な検査を受けるべきです。
 眼圧は個人差だけでなく、1日のうちでも変動があり一定していません。1回だけ測った眼圧が高いからといって、すぐ緑内障と決めつけることはできません。日を変えて眼圧を測ってもらい、さらに視野検査など緑内障の精密検査を受けることも必要です。
■先天緑内障(せんてんりょくないしょう)(「先天緑内障」)
 房水の排出路(隅角)のつくりが生まれつき未発達なためにおこるもので、乳幼児や若い人にみられます。
 乳幼児の場合は、眼球壁に弾力性があるため、眼圧が高まると、眼球自体が大きくなります。正面から見ると、角膜が大きくなり、ウシの目玉のように見えるので、牛眼(ぎゅうがん)とも呼ばれます。
 角膜が濁り、明るいところでは、まぶしさのため、目をあけようとせず、涙を流します。とくに強い痛みを訴えるわけではないので、子どもにこのような症状が現われたときは、眼科を受診しましょう。
■続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう)
 病気の症状の1つとしておこった緑内障です。
 原因となる病気に、虹彩毛様体炎(こうさいもうようたいえん)・ぶどう膜炎(まくえん)、水晶体前嚢偽落屑(すいしょうたいぜんのうぎらくせつ)、過熟白内障(かじゅくはくないしょう)、新生血管(糖尿病、眼底出血)、単純および帯状ヘルペス、外傷、腫瘍(しゅよう)などがあります。
 また、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬(ステロイド)の副作用でおこる場合もあり、点眼や内服しているとき、眼圧が上昇します。この副作用は、ごく一部の人にみられるものですが、長い間、ステロイドを使用している人、緑内障の家系の人は眼圧を検査してもらう必要があります。

[治療]
 緑内障を完全に治すことはできませんが、治療して眼圧を正常範囲に維持できれば、視野の悪化が防げます。一生治療を受ける必要がありますから、身近なかかりつけの専門医を決めておくことがたいせつです。あちこち病院を変えると、ふだんの眼圧の状態や、前の医師が行なった治療の内容がわからないため、眼圧の調整がうまくいかず、結果的に悪くしてしまうからです。
■急性閉塞隅角緑内障
 ただちに治療しないと2~3日で失明します。
 房水(ぼうすい)の流れが瞳孔(どうこう)部で遮断されているので、まず高浸透圧剤の点滴による静脈注射か内服によって眼圧を一時的に下げてから、縮瞳剤(しゅくどうざい)を何度もさし、瞳孔部での遮断を解除します。遮断が解除できたら、その後はレーザー光線照射で虹彩に孔(あな)をあけ、二度と瞳孔部で遮断されないようにバイパスをつくります。遮断を解除できないときは入院して、虹彩を小さく切除する虹彩切除術が緊急に行なわれます。
■慢性閉塞隅角緑内障、慢性開放隅角緑内障
 一度失われた視野は回復しませんから、早期発見、早期治療しかありません。いずれの緑内障も眼圧を下げることが必要ですが、視野欠損の程度や、また緑内障の程度により目標となる眼圧が異なります。
 一般的には、視野欠損が進行していれば、より眼圧を低くしなければなりません。眼圧を下げるには、まず眼圧下降剤の点眼で眼圧を調整します。効果がなければ、内服が併用され、それでも効果がなければ、レーザー治療や手術を行ないます(コラム「慢性閉塞隅角緑内障、慢性開放隅角緑内障の治療」)。
 いずれも眼圧を下げる意味しかなく、視野は回復しません。
■正常眼圧緑内障
 基本的には開放隅角緑内障の治療に準じますが、もともと眼圧はあまり高くないので困難です。
 最近では、視神経の血流回復を目的とする、点眼内服治療を行なう傾向にありますが、効果ははっきりしていません。
■続発緑内障
 もとの病気の治療とともに、慢性閉塞隅角緑内障、慢性開放隅角緑内障に準じて緑内障の治療を行ないます。
■その他の緑内障の治療
 病状に応じて、眼圧を調整したり、手術が行なわれます。

[日常生活の注意]
 心身の過労を避け、規則正しい日常生活が望まれます。
 喫煙は血流量を低下させるので禁忌(きんき)です。また、高血圧、糖尿病などの全身疾患も緑内障の悪化の危険因子です。
 いずれの緑内障も、早期発見、早期治療がたいせつですから、40歳を超えたら、定期的に眼科検診を受けるようにしましょう。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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