耐熱鋼やステンレス鋼においては850℃付近が使用温度限界であり、これ以上の高温では強度が急速に低下する。この耐熱限界を超える温度領域で使用される合金を超合金またはスーパーアロイという。耐酸化性を確保するためにクロムを15~20%添加し、高温強度を高めるためにモリブデン、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、アルミニウムなどを添加する。約50%以上の鉄を含むものを鉄基超合金、コバルトの場合をコバルト基超合金、ニッケルの場合をニッケル基超合金という。鉄基およびコバルト基超合金では、おもに炭化物の微細分散によって高温強度を向上しているが、ニッケル基超合金では基質と同じ結晶構造(面心立方)の金属間化合物γ´相(Ni3Alを基本とする)の分散による。
[須藤 一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…これらは耐熱鋼の使用温度範囲以下で用いられる耐熱合金である。耐熱鋼はオーステナイト系耐熱鋼でも800℃以上での使用は困難になる場合が多いので,これ以上の温度で使用するのを目的として研究,開発されたものに超合金superalloy(スーパーアロイともいう)と呼ばれるニッケル基合金,コバルト基合金,クロム基合金がある。素地の構造中での金属原子の移動速度はその材料の融点が高いほど小さいので,モリブデン,タングステン,タンタル,ニオブなどの合金が高温強度を上げる目的で検討,開発されてきた。…
※「超合金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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