(読み)イク

デジタル大辞泉 「育」の意味・読み・例文・類語

いく【育】[漢字項目]

[音]イク(呉)(漢) [訓]そだつ そだてる はぐくむ
学習漢字]3年
そだてる。「育児育成愛育教育訓育薫育飼育体育知育徳育傅育ふいく保育養育
成長する。「生育成育発育
[名のり]すけ・なり・なる・やす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「育」の意味・読み・例文・類語

そだち【育】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「そだつ(育)」の連用形名詞化 )
  2. 成長すること。成育。また、成育の状態。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「黒ぼこの松のそだちやわか緑〈土芳〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)春)
  3. 育てられ方。育った境遇や、育つときに受けたしつけなど。そだちかた。素姓(すじょう)。そだちがら。
    1. [初出の実例]「氏もよしそだちもよしや藤の棚〈宗房〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)五)
  4. ( 接尾語的に用いる ) その場所に生まれて成長すること。また、そのような育てられ方をすること。「温室そだち」「お嬢様そだち」など。
    1. [初出の実例]「わどのは東国そだちのものの、けふはじめてみる西国の山の案内者、大にまことしからず」(出典:平家物語(13C前)九)

そだて【育】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「そだてる(育)」の連用形の名詞化 )
  2. 育てること。養うこと。養育。「育ての親」
  3. 教えしつけること。しこみ。
    1. [初出の実例]「抱親(かかへをや)の抑からの、そだての悪しきからなれば」(出典浮世草子傾城禁短気(1711)二)
  4. おだてること。
    1. [初出の実例]「かれはのせことよ、是はそだてなるよなどと、さきのまことをいふもむさといつはりにおとして」(出典:評判記・色道大鏡(1678)五)

はごくみ【育】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「はごくむ(育)」の連用形の名詞化 ) =はぐくみ(育)
    1. [初出の実例]「越鳥南枝に巣をかくる翼も、親のはごくみを思ひ」(出典:御伽草子・蛤の草紙(室町末))

はぐくみ【育】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「はぐくむ(育)」の連用形の名詞化 ) いつくしみ育てること。養育。はごくみ。
    1. [初出の実例]「ありがたき御はぐくみをおぼし知りながら」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「育」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(旧字)
7画

(異体字)
13画

[字音] イク(ヰク)
[字訓] そだてる・やしなう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(とつ)+月(肉)。生子の倒形。生まれるときのさま。月(肉)は限定符的に加えたものか、或いは肉を供して養育の意を示したものであろう。〔説文〕十四下に「子をひて、善を作(な)さしむるなり」とし、字を(肉)声とするが、形声の字ではない。また重文としてをあげる。は婦人の姿。は生まれた子の頭髪のある形。はいずれも子の生まれる形を含む字で、養育の意。は卜文にもみえ、の初文で、その象形の字である。

[訓義]
1. うむ、そだてる、そだつ。
2. やしなう。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ウム・ハククム・ヤシナフ・ヒトトナル・イトケナシ・チカシ・カクス・オホフ

[語系]
jiukは畜thiukと声義近く、畜養の義がある。粥jiukは育と同声。jiokと声義が通じ、粥を売る義に用いることがある。

[熟語]
育育育英・育鞠・育才・育材・育成・育徳・育孕・育養
[下接語]
愛育・化育・涵育・鞠育・教育・煦育・訓育・薫育・恵育・飼育・字育・滋育・孳育・生育・成育・体育・胎育・知育・長育・徳育・発育・育・扶育・孚育・傅育・撫育・覆育・保育・孕育・養育

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android