(読み)コウ

デジタル大辞泉 「膏」の意味・読み・例文・類語

こう【膏】[漢字項目]

人名用漢字] [音]コウ(カウ)(呉)(漢) [訓]あぶら
動物のあぶら。「膏血膏油
うまい食物。「膏梁こうりょう
心臓の下の部分。「膏肓こうこう
半練り状の薬。「膏薬軟膏絆創膏ばんそうこう
うるおす。めぐむ。「膏雨
地味が肥える。「膏沃こうよく

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精選版 日本国語大辞典 「膏」の意味・読み・例文・類語

こうカウ【膏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 動物からとったあぶら。〔詩経‐檜風・羔裘
  3. あぶらを主とした練り薬。あぶら薬。膏薬。〔後漢書‐方術伝下・華陀
  4. 心臓の下にあたる部分。肓(こう)とともに、治療の及ばないと考えられた部分。
    1. [初出の実例]「肓(くゎう)の上・膏(かう)の下に入なば、医師、何ぞ、我等を傷(そこなは)むや」(出典今昔物語集(1120頃か)一〇)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐成公一〇年〕

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普及版 字通 「膏」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

[字音] コウ(カウ)
[字訓] あぶら

[説文解字]
[甲骨文]
[その他]

[字形] 形声
声符は高(こう)。高は人体上部、胸郭より上の骨組みの形。〔説文〕四下に「肥ゆるなり」とし、〔段注〕に「脂なり」の誤りであろうという。「病、肓膏(くわうかう)に在り」とは肓の上、膏の下、臓腑深部に在るとの意で、膏は横隔膜のあたりをいう。

[訓義]
1. あぶら、あぶらの厚いところ。
2. こえる、こえた肉、あぶら肉。
3. むなもと、内臓のあぶらの部分。
4. あぶらぐすり、ねりぐすり、化粧あぶら、べに。
5. なめらか、うるおい、うまい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕膏 アブラ・アブラツク・コエタリ・ウルフ・ホス

[熟語]
膏雨膏映・膏液・膏恩・膏火・膏蟹・膏汗・膏環・膏膏凝・膏血膏肓・膏潤膏壌膏燭・膏身・膏津膏腥膏鮮膏羶・膏・膏沢・膏茶・膏柱・膏田・膏土膏鐙・膏肉膏肥・膏膜・膏味・膏明・膏面膏沐・膏・膏薬・膏油膏腴膏沃・膏良・膏粱・膏霖・膏露・膏臘・膏和
[下接語]
肌膏・膏・魚膏・玉膏・金膏・瓊膏・鶏膏・香膏・硬膏・豕膏・脂膏・腥膏・石膏・雉膏・土膏・灯膏・軟膏・油膏・腴膏

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