草木村(読み)くさぎむら

日本歴史地名大系 「草木村」の解説

草木村
くさぎむら

[現在地名]神石町草木

まき村の東方に位置し、東は安田やすだ(現油木町)星居ほしのこ山の北麓にあたり、西南から北東に福桝ふくます川が流れる。神石郡の谷はほぼ南北に開けるが、当地の福桝川の谷は東西に長く、古くから郡内東西交通の要衝であったと考えられる。神石地方の在来神である吉備津きびつ神社が当地のみやはらに祀られ、開発の古さを示す一証左と考えられる。康正二年造内裏段銭并国役引付に「参貫文(中略)杉原新蔵人殿備後国草原村段銭」とみえるが、この草原は草木の誤りで、当地のこととされる。


草木村
くさぎむら

[現在地名]阿久比町草木

阿久比谷一六村の北西端に位置する。草木村は大野おおの庄に属した。嘉暦三年(一三二八)大仏維貞の死後、一色範氏が大野庄に入り、その家臣佐治氏が一色氏に代わって大野庄を支配した(知多郡史)。佐治氏は坂部さかべ城主久松氏と姻戚となり、当村は佐治氏の所領となって大野庄に編入された(平井家系図)。一色氏は草木に草木城を築いたが、「雑志」に「竹内弥四郎居之、或云一色右馬助居城也ト」とある。


草木村
くさぎむら

[現在地名]一宮町草木

揖保いぼ川の支流草木川中流域に位置し、西は百千家満おちやま村など。慶長国絵図に村名がみえる。領主の変遷は生栖いぎす村と同じ。正保郷帳では田方一九石余・畠方四一石余。下村氏手控帳(下村家文書)によると、寛文―延宝(一六六一―八一)には田一町一反余・畑四町六反余、家数一二・人数五八、牛九、小物成は茶役一〇匁余・桑役(真綿)八五〇匁。元禄六年(一六九三)の宍粟郡村々反別郡玉帳(田路家文書)でも小物成はほぼ同じで、鉄砲所有数は威し用四。農閑期を活用し養蚕や炭焼が盛んで、「近世千草鉄山史料」に草木運上山の雑木二万八千本ほどとある。


草木村
くさぎむら

[現在地名]富来町草木・六実むつみ

日下田ひげた村の北、米町こんまち川の支流坪野つぼの川流域にある。町居の松尾まちいのまつお神社の永和元年(一三七五)の宝殿造立棟札に同社の氏子として草木村を記す。正保郷帳では日下田村と合せて高付され、高四八〇石余、田三〇町四反余・畑一町六反余、免三ツ四歩五厘。寛文一〇年(一六七〇)の村御印には草木村の高四四〇石、免四ツ五歩、新田高五石、小物成は山役一一八匁・苦竹役七匁、鳥役五匁(出来)とある(三箇国高物成帳)


草木村
くさぎむら

[現在地名]東村草木

座間ざま村の北方渡良瀬川沿いにあり、銅山あかがね街道が通る。集落は山に囲まれている。寛文郷帳によると高一一七石余(畑方のみ)。江戸後期の御改革組合村高帳によると家数六六。明治一〇年(一八七七)頃の民業は、男は農・桑業七〇戸、農の傍ら炭焼を業とする者一〇戸、猟師六戸、漁業二戸、山稼二六戸、女は農間に養蚕・製糸・縫織に従事。物産は穀類のほか繭・生糸・炭・材木など。牡馬四五・牝馬一〇(郡村誌)。昭和四〇年(一九六五)に着手され同五一年に完成した渡良瀬川草木ダムによって、かつての草木村のほとんどは湖底に沈んだ。


草木村
くさぎむら

[現在地名]鹿角市十和田草木とわだくさぎ

西南流して米代川に注ぐ草木川の寺坂てらざか村上流に位置し、東は広い山地。草木の茂る台地地名の由来という。

近世初期の「鹿角郡由来記」に「草木村 奈良越後領知 寺坂宝田 居館丸館也」とある。軍森いくさもり(二〇六・六メートル)に連なる高台に中世後期の館跡があり、郭形をとって丸館と称する。比高およそ二〇メートルで南を草木川が西流、一条の空堀を東西に施し、台地を区切って単郭状平坦面を造る。空堀は深さ五―六メートル、幅およそ一〇メートルで直線状に東西に走り、長さは七〇―八〇メートル。


草木村
くさぎむら

[現在地名]大牟田市草木

田崎たさき村の北にあり、西は手鎌てがま村。東部は三池みいけ山麓から西へ延びる洪積台地とその開析谷からなり、北部から西部にかけては白銀しらがね川の沖積地が開ける。文禄四年(一五九五)の高橋統増(立花直次)宛の知行方目録(三池立花家文書)に草木とあり、高九四〇石余。元和六年(一六二〇)以降柳川藩領。同七年の郡村帳では玄蕃高一千一五〇石余・新田高六石余。小物成は野手米三石余・樹木米一斗余。旧高旧領取調帳では高一千四五六石余。草木八幡宮(現八幡神社、旧郷社)は弘仁一三年(八二二)三毛中納言師親の創建とされるが(「三池氏系図」筑後将士軍談)、信じがたい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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