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葦手 アシデ

デジタル大辞泉の解説

あし‐で【×葦手】

装飾文様の一種で、文字を絵画的に変形し、葦・水鳥・岩などになぞらえて書いたもの。平安時代に始まり、中世を通じて行われた。葦手書き。
葦手絵」の略。

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百科事典マイペディアの解説

葦手【あしで】

芦手とも書く。平安末期ころ用いられた遊戯的な絵文字,またはそれをまじえた絵模様草仮名をアシの葉になぞらえ,和歌などを書き流したものと,文字を水辺の風景の中に散らした〈葦手絵〉とがあり,後者は色紙の下絵や蒔絵(まきえ)の意匠として後世まで用いられた。
→関連項目文字絵

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世界大百科事典 第2版の解説

あしで【葦手】

水辺に生えるアシになぞらえて書いた遊戯的文字で,かな文字が多い。それは水辺の景色の中に絵画的に隠し文字のようにアシ,流水,水鳥,岩などの一部分を文字化して書き加えたもので,藤原時代に行われ,葦手を画面に散らして絵模様を構成するものを葦手絵という。葦手絵は後世に至るまで,色紙の下絵や蒔絵の意匠などとして,広く流布されるようになった。葦手の語は《宇津保物語》《源氏物語》《栄華物語》などに見られるが,《宇津保物語》では,男手,女手,片仮名に続いて,葦手で和歌の書巻を書いたことが記されているから,書体の一種として扱われている。

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大辞林 第三版の解説

あしで【葦手】

文字を絵画風にくずして、水辺の葦を中心に水流・岩・草・鳥などをかたどったもの。平安時代に行われた。文字絵。葦手書き。
に描かれているような文字の書体。
葦手絵 」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

葦手
あしで

草がな、平仮名、片仮名とともに、平安時代に生まれた仮名書体の一つ。『天徳(てんとく)四年内裏歌合(だいりうたあわせ)』(960)をはじめ、『源氏物語』『栄花物語』などにそのことばがみられ、一条兼良(いちじょうかねら)(1402―1482)以来、この葦手について諸説が出されてきた。だが、『うつほ物語』『新猿楽記(しんさるがくき)』では一つの書体としてあげられており、歌意を表す絵画化された遊戯的な書体と解される。その遺品として、11世紀後半の伝藤原公任(ふじわらのきんとう)筆『葦手歌切(あしでうたぎれ)』(徳川黎明会(とくがわれいめいかい)蔵ほか)があり、12世紀の『本願寺本三十六人家集』(元真集)や『平家納経』(『厳王品(ごんのうほん)』表紙ほか)では料紙の下絵モチーフとして用いられている。また鎌倉時代以降は、調度品、衣装、飾太刀(かざりたち)の装飾にも使用された。[久保木彰一]
『小松茂美著『かな』(岩波新書)』

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