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蒙求 もうぎゅうMeng-qiu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蒙求
もうぎゅう
Meng-qiu

中国,唐の児童用教科書。李瀚 (りかん) の著。3巻。天宝5 (746) 年以前成立。堯,舜の伝説上の時代から六朝時代までの著名人の伝記,逸話を1事項ごとに4字の1句にまとめ,計 596句を収めたもの。書名は『易経』の蒙卦の「童蒙求我 (童蒙,我に求む) 」に基づく。2句を1対とし8句ごとにを変えて,歌の文句のように口ずさみやすくしてある。のち宋の徐子光が注をつけてから広く読まれ,日本にも伝わって,平安時代に貴族の子弟の教育に用いられた。「勧学院の雀は蒙求をさえずる」という諺ができたほど広く読まれ,江戸時代にいたるまで多くの注釈本も出て流行した。

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デジタル大辞泉の解説

もうぎゅう〔モウギウ〕【蒙求】

《「易経」の一句「童蒙我に求む」による》中国、代の類書。3巻。李瀚(りかん)撰。「孫康映雪、車胤(しゃいん)聚蛍(しゅうけい)」のように、上代から南北朝までの有名人の逸話で類似の事跡一対とし、4字句計569句の韻文で、8句ごとに韻を変える幼童用の教科書。日本には平安時代に伝わり、盛んに学ばれた。

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百科事典マイペディアの解説

蒙求【もうぎゅう】

中国,唐代の教科書。李瀚(りかん)の作。経史中から故事を採り,569事項を歌いやすく覚えやすいように4字句の韻文にし8句ごとに韻を変え,子どもの教訓書とした。宋の劉班《両漢蒙求》以下多くの類書が作られたが17世紀以後,姿を消した。日本には平安時代に移入,江戸時代には注解書のほか,木下公定《桑華蒙求》,菅享《本朝蒙求》など多くが作られ,近年に至るまで使われたので,むしろ日本に伝存した。
→関連項目唐物語蒙求和歌幼学書

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世界大百科事典 第2版の解説

もうぎゅう【蒙求 Méng qiú】

中国の児童用教科書。3巻。唐中期の李瀚撰。上古から南北朝までの人物の伝記や説話を,歌いやすく覚えやすいように,1事項1句4字で表し,2句で1対,8句ごとに韻を換え,全部で596句を収める。書名は《周易》の〈童蒙われに求む〉に基づく。敦煌写本中にも見いだされ,元の雑劇の題材のうち本書に取材した作品が最も多く,唐中期から元代にかけての中国社会に広範に普及したが,17世紀以後《三字経》や《千字文》の流行に圧倒されて姿を消し,李瀚がいつごろの人物かさえ分からなくなった。

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大辞林 第三版の解説

もうぎゅう【蒙求】

中国の類書。唐の李瀚りかん著。三巻。南北朝までの故事を五九六句の四字句に織り込んだもの。一話を一句に表して、内容の似た二句を一対とし、偶数句で韻をふみ八句ごとに韻を変えてある。初学の児童用に作られた。平安時代に日本に伝わり、広範な影響を残した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蒙求
もうぎゅう

中国、唐の李瀚(りかん)の撰(せん)。三巻。『易経』蒙卦(もうのか)の「童蒙の我に求む」から書名がつけられているように、幼童の教科書として編纂(へんさん)された書。中国の上代から南北朝までの古人の有名な逸話を四字句の韻語で記し、「孫康映雪、車胤聚蛍(しゃいんしゅうけい)」(唱歌「蛍の光、窓の雪」の出典)のごとく、類似の事跡を一対にして配列してある。日本には平安時代にすでに伝わり、盛んに学ばれて、「勧学院の雀(すずめ)は蒙求を囀(さえず)る」という諺(ことわざ)さえ生まれた。[山崎純一]

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世界大百科事典内の蒙求の言及

【読み書きそろばん(読み書き算盤)】より

…いずれも3字ないし4字で1句をなし,かつ韻をふみ,暗誦しやすいようにつくられている。また唐の李瀚(りかん)が古人の事跡をやはり4字1句,合計596句の韻語にまとめた《蒙求(もうぎゆう)》も唐代以後さかんに行われ,少なくとも元代にはまだ流行をきわめていた。これらの書物を終えると,ついで五言詩56首をあつめた《神童詩》,七言詩100余首をあつめた《千家詩》,ならびに《唐詩選》などの詩集類,また四書五経および《孝経》の経書類,《綱鑑》と《鑑略》の史書類にすすむ。…

※「蒙求」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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