蓮華峰寺(読み)れんげぶじ

日本歴史地名大系 「蓮華峰寺」の解説

蓮華峰寺
れんげぶじ

[現在地名]小木町小比叡

小木街道(現国道三五〇号)を挟んで小比叡こびえの門前集落と対する。山門を入り左手に宝積ほうしやく院・宝蔵ほうぞう坊などの脇坊や地蔵堂・護摩堂・客殿などが並び、右手の仁王門より金堂弘法堂・小比叡神社(もと天神社)・骨堂・八祖堂・八角殿・鐘楼堂跡のほか山中に奥院の御影堂が配置される。真言宗智山派、小比叡山と号する。金堂の本尊観世音菩薩。寺の由緒について「佐渡志」に「この国遠く皇城のたつみにあたりて鬼門の方なれば、鎮護のために大同のはじめ空海この山を開きて、小比叡山と名付け、寺を蓮華峰寺と名付く」と記すが、おそらく平安期成立の寺院であろう。寺に残る天保(一八三〇―四四)頃の記録には「蓮華峰寺」の四文字を記した額があったとされ、それには元応二年(一三二〇)六月八日の文字が読めたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蓮華峰寺」の意味・わかりやすい解説

蓮華峰寺
れんげぶじ

新潟県佐渡(さど)市小比叡(こびえ)にある寺。小比叡山(さん)と号し、新義真言(しんごん)宗智山(ちさん)派に属する。本尊は聖観世音菩薩(ぼさつ)。大同(だいどう)年中(806~810)弘法(こうぼう)大師(空海)の開創と伝え、嵯峨(さが)天皇の勅願寺であった。この地が皇城の鬼門にあたるところから叡山に擬して小比叡といわれ、古来、大和(やまと)(奈良県)室生(むろう)寺、高野山金剛峯寺(こうやさんこんごうぶじ)とともに仏金蓮(ぶつこんれん)三部の霊場とされた。室町時代には、寺中の坊院も如意輪坊、金蔵坊、正覚坊、宝蔵坊、等覚坊、法教坊、梅本坊、恩の坊、王宝坊の9坊、遍照院、宝積院の2院を数えて隆盛を誇ったが、1652年(承応1)兵火により寺坊を焼いてより衰微し、現在は宝蔵坊と宝積院が残る。山上の広い寺域には金堂を中心に地蔵堂、八角堂、経蔵、鐘楼堂などが密教特有の配置をなす。金堂、弘法堂、骨堂、小比叡神社は国の重要文化財

[里道徳雄]

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デジタル大辞泉プラス 「蓮華峰寺」の解説

蓮華峰寺(れんげぶじ)

新潟県佐渡市、佐渡島南部の小比叡にある寺院。新義真言宗智山派。山号は小比叡山、本尊は聖観世音菩薩。弘法大師(空海)による開創と伝わる。金堂・弘法堂などは国の重要文化財に指定。アジサイの名所。

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