蔵宿(読み)クラヤド

デジタル大辞泉 「蔵宿」の意味・読み・例文・類語

くら‐やど【蔵宿】

倉敷料を取って貨物を置かせる所。
江戸時代浅草幕府の米蔵付近に住んだ札差ふださし
大坂納め宿異称

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精選版 日本国語大辞典 「蔵宿」の意味・読み・例文・類語

くら‐やど【蔵宿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、浅草の幕府の米蔵付近に住み、旗本御家人代理として扶持米(ふちまい)を受け取って売りさばきをして手数料を取り、また、その米穀担保金銀を貸しつけることを業とした者。札差(ふださし)
    1. [初出の実例]「蔵宿でよんどころなくそりを打」(出典:雑俳・柳多留‐四(1769))
  3. 倉敷料を取って、貨物を置かせる所。→納宿(おさめやど)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蔵宿」の意味・わかりやすい解説

蔵宿
くらやど

江戸時代の商人。幕藩領主の蔵米出納を世話した業者とその店舗(てんぽ)。(1)江戸では浅草蔵前(くらまえ)で旗本・御家人(ごけにん)の俸禄(ほうろく)米の受領売却を世話し、高利貸しを行った札差(ふださし)の別称。(2)金沢藩では藩士知行(ちぎょう)米の管理、出納、販売を請け負った米穀商人をさし、江戸と同じく札差ともよんだ。(3)大坂では納宿(おさめやど)の別称で、年貢米を運送する船を世話し、水揚げ御蔵納めの職人の指示などを請け負った商人をいう。

[北原 進]

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旺文社日本史事典 三訂版 「蔵宿」の解説

蔵宿
くらやど

②江戸前期から加賀藩で藩内に設けた札差に似た制
③江戸時代,大坂の納宿 (おさめやど) の別称
①江戸時代,江戸浅草の札差 (ふださし) の別称。
藩内数か所に知行米を売りさばく町蔵をつくらせ家臣の便宜をはかった。その町蔵の管理者を蔵宿という。
納宿とは大坂へ年貢米を運んできた農民が,幕府の御蔵へ納入するまで泊った旅宿をいったが,のち陸揚げ・納入までを請け負うようになった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蔵宿」の意味・わかりやすい解説

蔵宿
くらやど

江戸時代,浅草蔵前に店 (たな) を張って旗本,御家人の蔵米を受取りその売買を行なった札差や,大坂で回米の水揚げから納入までを引受ける納宿 (おさめやど) のことをこう呼んだ。別に大名領で,藩士の知行米の管理や出納を行う役人,年貢米の売却のため集散地においた御用商人などもさした。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「蔵宿」の解説

蔵宿
くらやど

札差(ふださし)

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