薄葬(読み)ハクソウ

百科事典マイペディアの解説

薄葬【はくそう】

経費節約や風俗改正を目的として葬儀を簡素化すること。その命令を薄葬令という。中国で古くから皇帝の遺言などとして公布されたが,日本では大化改新の際のものが著名で,646年(大化2年)の薄葬令では,朝廷での身分に応じて,墳の大きさ,労務の人員と日数,副葬品などを規制した。しかしこれは,公民を私用に動員するのを禁ずるのが目的で,薄葬令というより公葬令とみるべきだとの説もある。
→関連項目葬制

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世界大百科事典 第2版の解説

はくそう【薄葬】

埋葬施設や喪葬儀礼を簡素なものとすること。日本古代の葬制の流れについて考えてみると,薄葬思想が濃厚であったかと思われる時期がいくつかある。まず第1に,雄略朝から5世紀末の時期である。倭国版図が最大となり,大王号を称するに至った倭王武(雄略天皇)の山陵をどこに比定するかはさて置いても,5世紀後半の大王陵と目されるものは,その前後の大王陵と比較すると規模が小さく,古墳造営について,なんらかの規制が存在したと考えられる。

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