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藩窯 ハンヨウ

世界大百科事典 第2版の解説

はんよう【藩窯】

江戸時代,諸藩が経営した窯をいう。内容は多岐にわたり,鍋島藩窯(鍋島焼)をのぞいて,厳密に定義できないのが実状である。広義には,陶工窯業を保護育成し,藩が援助したもの,藩主の什器などを焼かせた御用窯,藩の什器や贈答用品を専門に焼かせ,一般市場への出荷を禁じた御留焼(おとめやき),城内や江戸邸内に窯を築かせ,藩主みずからも手捏ね(てづくね)で茶器など焼いた御庭焼なども含めていう。 室町時代末期から茶道が隆盛を迎え,安土桃山時代には古田織部のように茶陶を指導する大名が現れたり,戦功行賞に名品茶器をもってあてることなどが行われた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

はんよう【藩窯】

江戸時代、諸藩で経営した窯かま。鍋島氏の大川内山窯、島津氏の竪野たての窯など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

藩窯
はんよう

江戸時代の幕藩体制下、藩が経営した陶窯の総称。藩窯は大きく次の3種に分類される。〔1〕藩主の御庭焼(おにわやき)的性格の窯(かま)。〔2〕採算を度外視して、大名や将軍への贈答・献上物や藩用の焼物を焼く窯。〔3〕殖産を目的として藩のきもいりで開窯されたもの、などである。〔3〕の場合、実際上は資本形態の民間との兼ね合いに問題があるが、藩窯の概念規定はむずかしく、ほとんど文献史料もないので、厳密な規定は特殊な場合を除いて困難である。藩が直接経営しないまでもかかわりをもつ陶窯は江戸前期に始まり、時代が下るとともに増大していった。高松焼、尾戸(おど)焼、鍋島(なべしま)焼は江戸前期の代表的藩窯。萩(はぎ)焼、高取(たかとり)焼、薩摩(さつま)焼などの藩窯的性格は厳密には不詳である。[矢部良明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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