出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
おしめ、おむつともいう。襁はおびひもで、幅八寸(約24センチメートル)、長さ二尺(約60センチメートル)の絹織物でつくり、小児を背に約(やく)して負うもの、褓は小児の被衣のことで、転じて、幼少のときという意味もある。『和名抄(わみょうしょう)』(931~938ころ)、『紫式部日記』(1008~10)にすでにこの呼び名がみえる。『和漢三才図会』(1712)には「児の腰尻に当て、不浄の物を受ける小巾をさす」とあり、このころには、小児出生のとき、外祖母が襁褓を12枚贈る風習があったという。有職(ゆうそく)故実書の『貞丈雑記』(1763~84)には小児の衾(ふすま)(寝るとき、上にかぶせるもの)のことを称したとある。
[岡野和子]
…おしめは〈湿し〉の女性用語で,排尿便を意志でコントロールできない乳幼児,あるいは自力で用が足せない病人,老人の大小便の始末のために,腰部,股間にあてる布や紙ナプキンをさしている。 おむつは〈むつき(襁褓)〉に由来する。褓は体をくるむ布,襁はそれをしばるひもを意味し,もともと,生まれたばかりの赤子の体をくるむ布をさしていた。…
…通学服や運動服に洋服が取り入れられるようになったのは大正時代の末ころからである。【池田 孝江】
[日本の着物]
平安時代の貴族社会では,赤子に着せる綾などの衣服を襁褓(むつき)といい,祝いに贈る風習があった。これは今日の宮参りの祝着に関係があると思われる。…
※「襁褓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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