詠歌大概(読み)えいがたいがい

  • えいがのたいがい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鎌倉時代中期の歌論書。藤原定家著。1冊。一説に貞応2 (1223) 年頃成立という。簡潔な漢文体で,作歌に際しての基本的な心得を記し,「秀歌之体大略」と名づける秀歌例 103首を掲げる。新鮮な着想を捜し求めて,これを古典的な用語で表現すべきこと,本歌取り (ほんかどり) の具体的方法,三代集や『伊勢物語』『三十六人集』などの典を見習うべきこと,などを説く。後世尊重され,多くの注釈書が生れた。

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百科事典マイペディアの解説

鎌倉前期の歌論書。1巻。藤原定家著。1220年前後の成立か。和歌に関する概括的な見解を漢文体で記した部分と,100余首の秀歌例よりなる。のちに二条家の教えの根本として重んじられ,内容の難解さもあって多くの注釈書が書かれている。
→関連項目歌論近代秀歌

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大辞林 第三版の解説

歌論書。一巻。藤原定家著。建保年間(1213~1219)成立。尚古主義的な定家晩年の歌論を漢文体で述べたもの。「近代秀歌」とともに中世歌人に多大の影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鎌倉初期の歌論書。藤原定家(ていか)著。頓阿(とんあ)の『井蛙抄(せいあしょう)』での引用によると、後鳥羽院(ごとばいん)の皇子梶井宮(かじいのみや)尊快法親王に献進したものと考えられ、1221年(承久3)の承久(じょうきゅう)の乱後の成立と推定される。漢文体(後人の仮名文としたものもある)の、作歌の原理と方法とについて説いた部分が主で、「詞(ことば)」「風体(ふうてい)」「景気(けいき)」に分けて、それぞれ古典の学び方を示している点は本書独自の内容である。それに「秀歌体大略(しゅうかのていのたいりゃく)」と題する83首の八代集抄出歌が付載され、「風体」の優れた例を示す。内容上近似するものに『近代秀歌』改撰(かいせん)本がある。[藤平春男]
『久松潜一他校注『日本古典文学大系65 歌論集・能楽論集』(1961・岩波書店) ▽藤平春男他校注・訳『日本古典文学全集50 歌論集』(1975・小学館)』

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