豊岡盆地(読み)トヨオカボンチ

デジタル大辞泉 「豊岡盆地」の意味・読み・例文・類語

とよおか‐ぼんち〔とよをか‐〕【豊岡盆地】

兵庫県北部、円山まるやま川下流を中心に細長く広がる盆地丹後山地西側に位置する。南北約14キロメートル、東西約4キロメートル。周辺は低い山地・丘陵に囲まれている。穀倉地帯

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改訂新版 世界大百科事典 「豊岡盆地」の意味・わかりやすい解説

豊岡盆地 (とよおかぼんち)

兵庫県北部,円山(まるやま)川下流にある南北に細長い盆地。平野の乏しい但馬(たじま)地方では最大の穀倉地帯をなす。円山川の河谷に海が入りこみ,その後埋積が進んで形成されたため,河口から12kmの豊岡市中心部でも標高4mという低さであり,1923年から38年にかけて大改修が行われるまで円山川が蛇行する盆地中央部は水害の常襲地帯であった。低湿地では柳行李(やなぎごうり)の原料となるコリヤナギ(杞柳(きりゆう))が栽培されていたが,現在ではほとんど見られない。盆地のため霧が多く,年間発生回数は120日に達する。円山川の河口にある津居山(ついやま)港は,古くから盆地の海の玄関にあたり,円山川を上下する高瀬舟の基地であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊岡盆地」の意味・わかりやすい解説

豊岡盆地
とよおかぼんち

兵庫県北部、円山(まるやま)川と出石(いずし)川の合流地点に発達した河谷盆地。南北10キロメートル余、東西最大約4キロメートルで、但馬(たじま)ではもっとも広い沖積低地である。かつては出石付近まで海が入り込み、その後、円山川、出石川堆積(たいせき)作用で盆地が形成された。氾濫(はんらん)原は、大正から昭和にかけて円山川改修工事が行われるまで、水害の常襲地帯であった。改修後は耕地整理が進み、豊かな農地となった。

大槻 守]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「豊岡盆地」の意味・わかりやすい解説

豊岡盆地
とよおかぼんち

兵庫県北部,円山川下流域にある盆地。東西約 4km,南北約 14km。更新世以後の沈水谷が陸化したもので,きわめて低平なため円山川の治水が完成するまでは洪水が頻発した。特産物の柳行李は低湿地の野生のヤナギを利用。明治以前,但馬地区の中心は水害の少なかった出石盆地にあったが,鉄道敷設の影響や 1920年以後の治水の成果などで明治以後は豊岡に移った。

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