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鹿児島県大隅半島の南から台湾に連なる南西諸島のうち,北半の鹿児島県に属する部分をいう。沖縄諸島とともに太平洋と東シナ海を分けている。地質・地形的にみると外・中・内の3列に分かれ,外列(太平洋側)は種子島,喜界島などの新期岩石よりなる低平な島である。中央列は屋久島,奄美(あまみ)大島(大島),徳之島などの古期岩石よりなる高峻な島であるが,南の沖永良部(おきのえらぶ)島,与論島は類似の成因でも低平である。内列は北部の黒島,硫黄島,竹島の3島と南の吐噶喇(とから)列島であるが,屋久島の西方にある口永良部島とともに火山島である。北部の種子島,屋久島は口永良部とともに熊毛郡に属し,大隅諸島ともいう。黒島,硫黄島,竹島の3島は第2次大戦前は吐噶喇列島とともに十島(じつとう)村を形成していたが,戦後北緯30°以南の吐噶喇列島はアメリカの軍政下に入った。1952年の日本復帰後,3島は三島村,吐噶喇列島は十島(としま)村となった。奄美大島,徳之島,沖永良部島,与論島などを総称して奄美諸島といい,大島郡に属する。
執筆者:服部 信彦
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鹿児島県大隅(おおすみ)半島の南海上、北緯30度50分付近から、南南西に向かい約500キロメートル、北緯27度付近の与論島(よろんじま)まで、大小約30の島嶼(とうしょ)群が並ぶが、これらを総称したもの。ここからさらに南西に延びる琉球諸島(りゅうきゅうしょとう)とあわせた南西諸島の北半部を占める。薩南諸島はまた北部より大隅諸島、吐噶喇(とから)列島、奄美諸島(あまみしょとう)とよばれる3グループに分けられる。大隅諸島のおもな島には屋久(やく)島、種子島(たねがしま)、口永良部(くちのえらぶ)島などがあり、奄美諸島には奄美大島、喜界(きかい)島、加計呂麻(かけろま)島、徳之島、沖永良部(おきのえらぶ)島、与論島などがある。これらの島々は奄美、西之表(にしのおもて)の2市をはじめ12町4村に属する。総面積は約2352平方キロメートル。各島の位置する緯度や周辺海域の状況により、地形や植生はたいへん多様である。「道の島」とよばれ、過去長い間南方や大陸からの文化の進入経路にもなっていたため、個々の島嶼にはもとより、本土とも異なった風習、言語などを残存させている。第二次世界大戦後の一時期、北緯30度以南の島々がアメリカの軍政下に置かれた(1952年(昭和27)まで吐噶喇列島、1953年まで奄美大島)。おもな島々へは鹿児島から毎日大型定期船や航空機の便がある。
[塚田公彦]
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