豪徳寺(読み)ゴウトクジ

デジタル大辞泉 「豪徳寺」の意味・読み・例文・類語

ごうとく‐じ〔ガウトク‐〕【豪徳寺】

東京都世田谷区にある曹洞宗の寺。山号は大谿山。開創年代は文明年間(1469~1487)、開基吉良忠政。もと弘徳寺と称し臨済宗江戸時代井伊直孝菩提所ぼだいしょとなり、その法名から豪徳寺と改称

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精選版 日本国語大辞典 「豪徳寺」の意味・読み・例文・類語

ごうとく‐じガウトク‥【豪徳寺】

  1. 東京都世田谷区豪徳寺にある曹洞宗の寺。はじめは臨済宗。山号は大谿山。文明一二年(一四八〇)世田谷領主吉良政忠が創建。寛永一五年(一六三八以後井伊家菩提寺

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日本歴史地名大系 「豪徳寺」の解説

豪徳寺
ごうとくじ

[現在地名]世田谷区豪徳寺二丁目

世田谷通の北方、世田谷城址公園の北部にある。大谿山洞春とうしゆん院と号し、曹洞宗、本尊釈迦如来。文明一二年(一四八〇)吉良頼高の娘で同政忠の伯母にあたる弘徳院のために城内に創建された小庵で、初め臨済宗に属し、弘徳院と称したと伝え、天正一二年(一五八四)曹洞宗に転じた。寛永一〇年(一六三三)に世田谷領を領した近江彦根藩主井伊直孝が大檀那となって堂宇・殿舎を造営、井伊家の江戸菩提寺となった。直孝は中興開基とされる。万治二年(一六五九)直孝が没すると、その法号久昌院殿豪徳天英居士にちなみ豪徳寺と寺名を改めた(風土記稿)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「豪徳寺」の意味・わかりやすい解説

豪徳寺
ごうとくじ

東京都世田谷(せたがや)区豪徳寺にある曹洞(そうとう)宗の寺。山号は大谿山(だいけいざん)。1480年(文明12)吉良(きら)左京太夫忠政が、伯母の弘徳院(こうとくいん)の菩提(ぼだい)のために馬堂昌誉(まどうしょうよ)を開山として建立し、初めは法号にちなんで弘徳寺と称し、臨済(りんざい)宗に属した。1584年(天正12)門庵宗関(もんあんそうかん)が曹洞宗に改め、中興開山となった。井伊直孝(なおたか)が当地に住んでからはその菩提所となり、1659年(万治2)直孝の法名によって豪徳寺と改称。寺内に直孝の墓碑がある。

菅沼 晃]

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デジタル大辞泉プラス 「豪徳寺」の解説

豪徳寺

東京都世田谷区にある寺院。山号は大谿山。1480年創建。開創当初は臨済宗の寺で、弘徳寺と称した。1584年の中興開山で曹洞宗となる。彦根藩主、井伊家の菩提寺で、井伊家墓所は国指定史跡。招福猫児(まねぎねこ)(俗にいう“招き猫”)が多く祀られることで知られる。

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世界大百科事典(旧版)内の豪徳寺の言及

【ネコ(猫)】より

…また,いくつかの〈猫騒動〉も伝えられている(猫騒動物)。 招き猫として,猫の像を商店の店先に置くのは江戸時代からのことで,猫が前足をあげて顔をこすると客がくるという中国の故事からきているというが,関東では東京世田谷の豪徳寺の飼猫の報恩談として伝えられる。また雄の三毛猫は天候を予知するといわれ,和船時代には高価に買い求められたという。…

【招き猫】より

…また猫は人だけでなく福をもたらす霊力をもっていると信じられた。東京都世田谷区の豪徳寺は,彦根藩主井伊直孝が猫に招かれて入った寺だといわれ,そのため井伊家代々の菩提寺となって繁盛し,その故事にもとづいて招き猫を描いたお札が出され,境内にも猫塚がまつられた。【岩井 宏実】。…

※「豪徳寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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