日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤磐(市)」の意味・わかりやすい解説
赤磐(市)
あかいわ
岡山県南東部にある市。2005年(平成17)赤磐郡の山陽、赤坂、熊山(くまやま)、吉井の4町が合併して市制施行。市域は、岡山平野の北東部から吉備(きび)高原にわたって広がり、中央部を砂川が貫流し、南東部と北東部を吉井川が流れる。古くから開けた地域で、市内には両宮山(りょうぐうざん)古墳、高塚古墳など多くの遺跡が残る。また、奈良時代には備前(びぜん)国分寺が建てられ、備前国の中心地でもあった。JR山陽本線、国道374号、484号、山陽自動車道が通じ、山陽インターチェンジが設置されている。美作(みまさか)岡山道路の熊山および吉井インターチェンジがある。
清水白桃などのモモ栽培が盛んで、可真(かま)地区は岡山県のモモ栽培発祥地である。第二次世界大戦後はピオーネなどのブドウ栽培が拡大している。そのほか、米作や黒大豆の産地としても知られる。県農林水産総合センター農業研究所、農業大学校などもある。豊富な農産物を原料とする食品工業が盛んで、工業団地も造成されている。岡山市に隣接し、市の南部では岡山ネオポリス、山陽団地などの大規模な住宅団地が建造され、ベッドタウン化が進行している。両宮山古墳、備前国分寺跡は国の史跡に指定されている。面積は209.36平方キロメートル、人口4万2661(2020)。
[編集部]