越度(読み)おちど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

越度
おちど

養老の衛禁律にみえる犯罪の一種。関所を正規の通路によらずにえる行為。3関は徒1年半,摂津,長門の関津は徒1年に処せられる。ただし国境の越度については,その条文が日本律に存在したのかどうか論争が繰返されている。越度の語は,後年本来の意味からはずれて,再訴訟の意に用いられたり (清原業忠『貞永式目聞書』) ,さらに「落度」などと記され,広く刑罰を加えられる行為,さらには,過ち全般をさす用語として使用された。後者の場合は,律令法律用語が日本社会に定着した好例である。

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デジタル大辞泉の解説

おつ‐ど〔ヲツ‐〕【越度】

律令制で、関所を破ること。通行許可証を持たず、関門を経ずに通過すること。罪科に処せられた。
法に反すること。〈日葡
おちど」に同じ。
「隠れたる瑕(きず)の少し候を、かくとも知らせまゐらせで進じおき候ひし事、第一の―にて候」〈太平記・二六〉

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世界大百科事典 第2版の解説

おつど【越度】

前近代の法律語。〈おちど〉ともいい,江戸時代には〈落度〉とも書いた。(1)律令用語としては,養老律の衛禁律(えごんりつ)に定められた関津以外の,通行禁止の場所を通過するのを越度といい,越度には私度(通行証なしに関津を通る)の罪に一等を加えるという規定があり,また越度未遂の罪,馬牛を率いて越度する罪なども定められた。(2)中世以降,過失犯の意となり,また転じて広く法律違反,有罪の意ともなったが,通じて量刑を明示しないで罪過を規定する場合に用いられたようである。

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大辞林 第三版の解説

おつど【越度】

律令制で、通行証を持たずに、関を経ないで間道をぬけること。
法に反すること。〔節用集 文明本
おちど(落度)」に同じ。おつと。 「悔ユルニ甲斐ナイ-ヲシタ/天草本伊曽保」

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