デジタル大辞泉 「逸らす」の意味・読み・例文・類語 そら・す【▽逸らす】 [動サ五(四)]《「反らす」と同語源。それるようにする意》1 向かうべき方向・目標からわきの方へ向ける。他へ転じる。「話を―・す」「視線を―・す」2 とらえそこなう。逃がす。のがす。「ボールを―・す」3 (多く、打消しの形で)人の機嫌をそこなう。「人を―・さない応対ぶり」[類語]よける・避ける・いなす・躱かわす・外す・逸それる・外れる・受け流す・回避・忌避・敬遠・逃避・退避・退散・退去・退却・避難・待避・肩透かし 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「逸らす」の意味・読み・例文・類語 そら・す【逸】 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「そらす(反)」と同語源。本来の位置、進むべき方向からそれるようにするの意 )① 逃げるようにする。逃がす。のがす。[初出の実例]「夜昼これをあづかりて、とりかひ給ふほどに、いかがしたまひけむ、そらしたまひてけり」(出典:大和物語(947‐957頃)一五二)② わざとねらいをはずして、わきの方に向ける。また、ねらいがはずれ、球などをうけそこなう。逸する。[初出の実例]「さて馬早く進む。又『留めよ』と云たびに、つよくうつが、そらして遠行延びぬ」(出典:梵舜本沙石集(1283)八)③ 視線の方向などを他へ移す。[初出の実例]「主人の顔を仰いでゐる目を逸(ソラ)さなかった」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉二)④ 人の気分を害する。機嫌をそこなう。[初出の実例]「親疎人の目にたたぬ躰に、何をもそらさず振舞べし」(出典:六波羅殿御家訓(13C中)第八条)⑤ 他のことに言いまぎらす。話を他の話題に変える。[初出の実例]「『おお僕の手巾を未だ用ってゐるのかい〈略〉』と話頭を転(ソラ)しにかかる」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)⑥ 特に、人の不快な感情などを他のことに一時的にまぎらわす。[初出の実例]「時子の不機嫌をそらすだけのつもりだった」(出典:抱擁家族(1965)〈小島信夫〉二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例