デジタル大辞泉
「避ける」の意味・読み・例文・類語
さ・ける【避ける】
[動カ下一][文]さ・く[カ下二]
1 それとかかわることで不都合や不利益が生じると予測される人や事物から離れるようにする。また、そのような人や事物に近づかないようにする。「あの人は―・けたほうがよい」「反抗期で父親を―・ける」「都会の騒音を―・けて暮らす」「―・けて通れない問題」「ラッシュ時を―・けて出勤する」「人目を―・けて会う」
2 不都合や不利益をもたらすような言動をしないようにする。差し控える。「コメントを―・ける」「どぎつい表現は―・けたほうがよい」「武力衝突は―・けたい」
3 よける。「飛び出してきた自転車を―・けきれずに衝突する」
[用法]さける・よける――「走ってくる車をさけよう(よけよう)としてころんだ」「水たまりをさけて(よけて)歩く」など、自分に害を与えるものや好ましくないものから意識的に離れることを表す場合、相通じて用いられる。◇「さける」は「人目をさけて暮らす」「視線をさける」「明言をさける」など、抽象的なものが対象の場合にも用いる。この場合「よける」は使わない。◇「よける」は「落石をよけて事なきを得た」「相手のパンチをよけそこなう」のように、わきへ寄る、身をかわすなどの具体的な動作に重点がある。
[類語]よける・いなす・躱す・逸らす・外す・逸れる・外れる・受け流す・回避・忌避・敬遠・逃避・退避・退散・退去・退却・避難・待避・肩透かし
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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よ・ける【避・除】
- 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]よ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 - ① 出会わないように、わきへ寄る。ぶつからないようにさける。
- [初出の実例]「花散れば道やはよけぬ志賀の山うたて梢を越ゆる春風〈藤原有家〉」(出典:六百番歌合(1193頃)春)
- 「船はいくつかの岬の端をまわり、点在する小さな島々をよけ」(出典:われら戦友たち(1973)〈柴田翔〉二)
- ② 前もって災害などを防ぐ。災いなどからのがれようとする。
- [初出の実例]「烏帽子装束をあらためて、白幣をかざし、鬼門よける弓矢をそなへ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)二)
- ③ 脇におしやる。別にしてのけておく。除外する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「自分でお金をよけておくと云ふ風でもないのね」(出典:爛(1913)〈徳田秋声〉二二)
- ④ 遊女が情夫を隠して置く。
- [初出の実例]「よくる ちかづく事うるさしとおもふ者をよけてとをす心也」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一)
さ・ける【避】
- 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]さ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 - ① (望ましくないものに)触れないようにその所から離れた位置に身をおく。会わないように身をかわす。遠ざかる。のがれる。
- [初出の実例]「故、諺に曰はく『堅石(かたしは)も酔人を避(さく)』といふなり」(出典:古事記(712)中)
- 「汝等、速に道を避(さけ)て我が車を可過し」(出典:今昔物語集(1120頃か)一〇)
- ② 自分に都合の悪いことをしないようにする。特に、ある物事や他人にかかわりあったり、近づいたりしないようにする。「人ごみを避ける」「紛争を避ける」
- [初出の実例]「夜眠る時には、階子を引き上げて、其害を避くるとぞ」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉五)
- 「指導教授などから小言をいわれるのを避けるために」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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