デジタル大辞泉
「外れる」の意味・読み・例文・類語
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はず・れるはづれる【外】
- 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]はづ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ある範囲の外に出る。 - [ 一 ] 位置が、ある範囲の外に出る。
- ① 範囲外に位置する。ある場所の外にあらわれ出る。はみ出る。外へそれて出る。
- [初出の実例]「ものの枝などの、車の屋形などにさし入るを、いそぎてとらへて折らんとするほどに、ふと過ぎてはづれたるこそ」(出典:枕草子(10C終)二二三)
- 「宇治河の水は、かみにぞたたへたる、おのづからもはづるる水には、なにもたまらずながれけり」(出典:平家物語(13C前)四)
- ② 組み合わさったり締められたりして固定されているものが解け離れる。「戸がはずれる」「錠がはずれる」「ボタンがはずれる」など。
- [初出の実例]「是は能く寝入りて身じろきする度毎に頭はづれて目覚むるやうに作りたるなり」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉五)
- ③ ( 「迦」の字を当てることがある ) 欠落する。逃亡する。行方をくらます。
- [初出の実例]「人をあやまり、はづれ候もの、二度とかへすべからす」(出典:結城氏新法度(1556)三八)
- [ 二 ] ある基準の範囲外にある。
- ① ある長さや音程などの範囲外にある。
- (イ) ある長さに及ばない状態である。
- [初出の実例]「髪のまだたけにははづれたる末のひき広げたる様にて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)野分)
- (ロ) ある長さを超える。ある長さ以上である。
- [初出の実例]「御ぐしいとこちたうおほくて、たけなどのほどもおほくはづれ給へれば」(出典:浜松中納言物語(11C中)五)
- (ハ) 正しい音程にならないでいる。
- [初出の実例]「かなり調子の外れた声で唄っているのを聞いた」(出典:夜と霧の隅で(1960)〈北杜夫〉一)
- ② ある組織・仲間などの外にいる。加わることができなくなる。除かれる。もれる。
- [初出の実例]「元輔が後といはるる君しもや今宵の歌にはづれてはをる」(出典:枕草子(10C終)九九)
- ③ 結果が予測・期待や比較の対象とくいちがう。無駄になる。
- [初出の実例]「文一くだりやりつるがはづるるやうなければ」(出典:落窪物語(10C後)一)
- ④ 時間や機会を逸する。
- [初出の実例]「年ころの御病をだにはづるる事なくあつかひ参らせて」(出典:讚岐典侍(1108頃)上)
- ⑤ 目標からそれる。
- [初出の実例]「よく引てはなちたりければ、左の脇のしも五寸許のきてはづれにければ」(出典:古今著聞集(1254)九)
- ⑥ 抽籤などにもれる。
- ⑦ 道徳や規則・法律などに反する。背く。
- [初出の実例]「といにようきたとこそいわうにとがにおこなう所えやったぞ。人間はづれたことぞ」(出典:玉塵抄(1563)二〇)
- ⑧ 状態や性行などがふつうと違う。
- (イ) 他に同調しないで、離れた行動をとる。ひとりでいる。
- [初出の実例]「此の山中の寂寞たる処には何としたる意に居住あるそ。人間はづれたることかな」(出典:中華若木詩抄(1520頃)中)
- (ロ) ふつうの状態と違う。
- [初出の実例]「呼吸を外(ハヅ)れし息づかひ」(出典:歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)四立)
- (ハ) 能力や技量などがふつうと違う。とびぬけている。「ひとなみはずれた腕力」
- (ニ) 通例と違う。
- [初出の実例]「西洋さかもりの例にゃア、はづれてゐるだらうが」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉九)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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