都の花(読み)みやこのはな

精選版 日本国語大辞典 「都の花」の意味・読み・例文・類語

みやこのはな【都の花】

  1. 文芸雑誌。明治二一年(一八八八)一〇月から同二六年六月まで刊行。全一〇九冊。山田美妙中心創作を主として編集二葉亭四迷福地桜痴尾崎紅葉幸田露伴、広津柳浪、川上眉山ら当代一流作家の作品掲載。商業文芸雑誌嚆矢

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百科事典マイペディア 「都の花」の意味・わかりやすい解説

都の花【みやこのはな】

文芸雑誌。1888年10月―1893年6月,毎月2回,第1,3日曜発行で通巻109号。金港堂発行。日本初の商業文芸雑誌で,明治20年代の文芸誌の中心的存在。創刊時は編集主幹山田美妙文学観が濃厚に誌面に反映した。主な掲載作品に美妙花車》《この子》,嵯峨の屋お室初恋》《婿えらび》,二葉亭四迷《めぐりあひ》《浮雲(第三篇)》などがある。50号あたりから尾崎紅葉ら硯友社系作家の作品が中心になったが,黒岩涙香村上浪六らの大衆文学的作品も掲載された。
→関連項目幸田露伴新小説樋口一葉

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改訂新版 世界大百科事典 「都の花」の意味・わかりやすい解説

都の花 (みやこのはな)

日本最初の商業文芸雑誌。1888年(明治21)10月~93年6月。金港堂刊。通巻109号。38号まで山田美妙が実質的に編集。幸田露伴(《毒朱唇》),二葉亭四迷(《浮雲》第3編),尾崎紅葉(《二人女房》)らをはじめとして,黒岩涙香,村上浪六,塚原渋柿園(じゆうしえん)ら大衆文学畑の作家たちに至るまで,当時の作家たちのほとんどを網羅田山花袋や樋口一葉らの顔も見える。明治20年代前半の文学の水準と幅を代表する雑誌。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「都の花」の意味・わかりやすい解説

都の花
みやこのはな

日本最初の商業文芸雑誌。1888年(明治21)10月創刊、93年6月終刊。全109冊。金港堂刊。当時の作家のほとんどを網羅し、明治20年代前半の文学界の振幅と水準を示した。38号まで山田美妙(びみょう)が編集し、改良主義者としての彼の個性が強く発揮された。その後は彼と対立していた硯友(けんゆう)社系の作家も参加し、執筆陣は拡大したが、特色は薄れ、しだいに魅力を失った。代表作に幸田露伴(ろはん)『露団々(つゆだんだん)』、嵯峨(さが)の屋(や)お室(むろ)『初恋』、二葉亭四迷(ふたばていしめい)『浮雲(うきぐも)』第三編、『めぐりあひ』、尾崎紅葉(こうよう)『二人(ににん)女房』などがある。復刻版(1984・不二出版)が出されている。

[山田有策]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「都の花」の意味・わかりやすい解説

都の花
みやこのはな

文芸雑誌。 1888年 10月~93年6月。 109冊。創刊号から第 38号までの主幹は山田美妙。日本最古の営業文芸誌として成功を収めた。美妙の『花車』,幸田露伴の『露団々』,二葉亭四迷の『浮雲』第3編などの連載小説は完結後単行本とする形式をとり,また美妙退社後は尾崎紅葉,江見水蔭,広津柳浪ら硯友社同人も参加した。

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