配る(読み)クバル

デジタル大辞泉 「配る」の意味・読み・例文・類語

くば・る【配る/賦る】

[動ラ五(四)]
物を、適当な量に分けて、それぞれに行き渡るようにする。割り当てて渡す。「カードを―・る」「招待状を―・る」
方々に届けて回る。配達する。「新聞を―・る」
配慮注意などを行き渡らせる。方々に行き届かせる。「心を―・る」「目を―・る」
必要に応じてそれぞれ適当な場所に分けて置く。配置する。「見張りを要所に―・る」
嫁がせる。縁づける。
「皆さまざまに―・りておとなびさせたり」〈東屋
[可能]くばれる
[類語](1分ける分かつ割り当てる分配する配分する配給する配付する配布する頒布はんぷする配達する分与する案分する折半する山分けする/(4配する配置する布置するセッティング

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「配る」の意味・読み・例文・類語

くば・る【配・賦】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 上代語「くまる」の変化した形 )
  2. 割り当てて渡す。分けて与える。配分する。
    1. [初出の実例]「季冬(しはす)に当る毎に、必ず、氷を蔵む。春分(きさらき)に至りて始めて氷を散(クハル)」(出典日本書紀(720)仁徳六二年是歳(前田本訓))
  3. 配慮、注意などを広くいきわたらせる。「気を配る」
    1. [初出の実例]「さあまたにくばりし心をただひと所になりたりかし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)
    2. 「大将に近付んと目を賦(クバ)る」(出典:太平記(14C後)二五)
  4. (相応の人を見つけてあちこちに)めあわせる。とつがせる。結婚させる。
    1. [初出の実例]「くちをしうつたなきのみ侍れど『さ言ひて侍らんやは』とてなん、これかれにくばり侍ること侍しに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)菊の宴)
  5. 必要に応じて適当な所におく。配置する。
    1. [初出の実例]「かやうに間々に皆一律を盗めるに、五の穴のみ、上の間に調子を持たずして、しかも間をくばる事等しき故にその声不快なり」(出典:徒然草(1331頃)二一九)

くま・る【配】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「くばる」の古形 ) =くばる(配)

配るの補助注記

古事記‐上」に「天之水分神〈分を訓みて久麻理(クマリ)と云ふ、下は此れに效ふ〉」のように神名一部に用いられた例がある。

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