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量子液体 りょうしえきたいquantum liquid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

量子液体
りょうしえきたい
quantum liquid

量子効果が顕著に現れている液体。質量が小さい粒子の系では,零点運動のエネルギーが大きく,粒子間相互作用のエネルギーと同程度になり,絶対零度においても液体のままのことがある。その場合には量子統計の効果が現れる。たとえば,ボース統計に従うものに液体ヘリウム4がある。またレーザー光で巨視的な数だけつくられたエキシトン (電子と正孔の対) の量子液体の可能性が論じられている。同様にフェルミオンでは,液体ヘリウム3がある。また低温高密度の天体 (中性子星など) の内部では,その大きな重力のために強く圧縮された中性子や陽子が量子液体になっていると考えられている。さらに 1995年以後ルビジウムやナトリウムなどのアルカリ原子の希薄気体のボース=アインシュタイン凝縮が実現されて,ボソンの量子液体の研究が加速している。 (→フェルミ液体 )

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世界大百科事典 第2版の解説

りょうしえきたい【量子液体 quantum liquid】

物質を十分低い温度まで冷やすと固体になるのがふつうであるが,なかには絶対0度(0K)まで冷やしても液体のままでいる物質がある。この種の不凍液を量子液体と呼ぶ。0Kまで固体にならない理由を物質中の原子または分子の運動によって説明しようとすると,どうしても量子力学の助けが必要となるからである。代表的な実例としては液体ヘリウムがある。ヘリウム(質量数4の同位体)は,1atmのもと,4Kで気体から液体になるが,液化したヘリウムをさらにいくら冷やしても固体にはならない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

量子液体
りょうしえきたい

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世界大百科事典内の量子液体の言及

【液体】より

…やがてJ.G.カークウッドらにより,分布関数を中心とした本格的な理論が展開され,60年ごろには積分方程式を解いて具体的にミクロの構造を精度よく求めることもできるようになった。一方,同じころから計算機実験が行われるようになって,純粋な古典液体(量子力学的効果が本質的に重要となる液体ヘリウムを量子液体というのに対して,通常の液体を古典液体という)の研究は急速な発展を見るに至った。実験の側では,X線や中性子線を用いる回折実験の技術が開発されて,液体構造を直接探るもっとも普遍的手段となり,環状の回折像の解析から,液体の一つの分子を取り囲む分子群の分布密度の時間平均を求めることができるようになった。…

※「量子液体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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