金輪際(読み)こんりんざい

  • 書名

デジタル大辞泉の解説

[名]
仏語。大地の最下底のところ。大地がある金輪の一番下、水輪に接するところ。金輪奈落
物事の極限。ゆきつくところ。
「逢ひ初めし時の誓文を―と思ひつめ」〈浄・薩摩歌〉
[副]
(あとに打消しの語を伴って用いる)強い決意をもって否定する意を表す語。絶対に。断じて。「金輪際承知しない」「もう金輪際ごめんだ」
極限まで。どこまでも。とことんまで。
「聞きかけたことは―聞いてしまはねば、気がすまぬ」〈滑・膝栗毛・六〉
[補説]書名別項。→金輪際
車谷長吉短編小説。また、同作を表題作とする短編小説集。小説集は平成11年(1999)刊行で、ほかに「白黒忌」「児玉まで」などの作品を収める。

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世界大百科事典 第2版の解説

仏教宇宙観における一種地底。世界は相重なる三輪(金輪・水輪・風輪)からなり,最上層の金輪(カーンチャナマンダラKāñcanamandala)の上に大海やわれわれの住む大陸(閻浮提(えんぶだい))がある。したがって〈金輪際〉とは金輪とその下の水輪との,すなわち金輪の最下層,われわれにとってのの底を意味する。《大宝積経(だいほうしやくきよう)》には〈この大地は厚さ百六十万由旬(1由旬は約7km)あり,その最下底を金輪際という〉とある(《俱舎論》では厚さ百六十万由旬あるのは風輪である)。

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大辞林 第三版の解説

大地の下百六十万由旬の深さにある金輪の底。世界の果て。 下化衆生を表して-に及べり/謡曲・山姥
(下に打ち消しの語を伴って)絶対に二度とは繰り返さないという強い決意や確信を表す。決して。 -助けてやるものか
どこまでも。とことん。 聞きかけたことは-聞いてしまはねば気がすまぬ/滑稽本・膝栗毛 6

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仏教の世界観において、大地の下にある金輪のきわをさす。仏教の世界観によると、世界は、有情世間(うじょうせけん)とよばれる人間界と、それを下から支えている器世間(きせけん)とよばれる自然界とに分類されるが、後者は、風輪、水輪、金輪の三つからなっている。まずいちばん下には、円盤状つまり輪形の周囲の長さが「無数」(というのは1059に相当する単位)ヨージャナ(由旬(ゆじゅん)。1ヨージャナは約7キロメートル)で、厚さが160万ヨージャナの風輪が虚空(こくう)に浮かんでいるものと考える。その上に、同じ形の直径120万3450ヨージャナで、厚さ80万ヨージャナの水輪がある。さらにその上に、同形の直径は水輪と同じであるが、厚さが32万ヨージャナの金でできている大地があり、その金輪の上に九山、八海、須弥四洲(しゅみししゅう)があるという。そしてこの金輪と水輪の境目のことを「金輪際」というのであるが、四洲の一つである閻浮提(えんぶだい)に住んでいる有情からすればはるかな底の底であるところから、「徹底的に」とか「最後まで」という意味が生じた。現在では一般に「いかなることがあっても」の意に用いられる。[高橋 壯]

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 〘名〙
① 仏語。仏教の世界観で、金輪の層の領域。また、その最下底の所で、水輪と接する所。金剛際。金輪奈落。
※平家(13C前)七「閻浮提のうちに湖あり、其なかに金輪際よりおひ出たる水精輪の山あり」 〔大乗悲分陀利経‐五〕
② 物事の極限。物事のきわまるところ。金輪奈落。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二六「死さまに是そ気疎き云替し 血を呑あふて金輪際まで」
[2] 〘副〙 底の底まで。どこまでも。絶対に。断じて。金輪奈落。
※浮世草子・傾城色三味線(1701)江戸「貴さま御一所にあらずしては、こんりんざいあふ事せぬ」

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