鉄舟寺(読み)てっしゅうじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉄舟寺
てっしゅうじ

静岡県静岡市清水にある臨済宗妙心寺派の寺院。本尊は千手観音。山岡鉄舟が 1883年に,荒廃していた久能寺を再興して鉄舟寺とした。久能寺は,推古天皇の時代に草堂が建てられたと伝えられ,行基が再興して久能寺と称し,平安時代には天台宗の寺院であった。国宝『久能寺経』をはじめ,多くの寺宝を所蔵。また『権律師円恵久能寺譲状』などの中世文書を伝える。

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デジタル大辞泉プラスの解説

鉄舟寺

静岡県静岡市清水区にある寺院。臨済宗妙心寺派。山号は補陀落山。本尊は千手観音。もとは久能山上にあった天台宗の寺、久能寺。武田信玄が久能山城築城のため、現在地に移す。江戸後期には衰退したが、1883年に山岡鉄舟が再興して改称。国宝「久能寺経」を所蔵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄舟寺
てっしゅうじ

静岡市清水(しみず)区村松(むらまつ)にある臨済(りんざい)宗妙心寺派の寺。補陀洛(ふだらく)山と号する。本尊は千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)。もとは現在の久能(くのう)山上にあって久能寺と称し天台密教系の寺であった。推古(すいこ)天皇のとき、守護の久能忠仁が黄金の千手観音像を本尊として一堂を建てたのが始まりで、723年(養老7)には行基(ぎょうき)が七堂伽藍(がらん)を建てたといわれる。鎌倉時代には源頼朝(よりとも)が保護を加え、武田信玄(しんげん)が寺を現在地に移して、もとの寺跡に久能山城を築いた。現在の久能山東照宮はその城跡に建てられたもの。そのとき寺は真言(しんごん)宗に改められたが、やがて荒廃した。1883年(明治16)山岡鉄舟が当時の妙心寺派管長今川貞山を開山として再興し、久能山鉄舟寺と改称した。寺宝に平安期の装飾経として名高い『法華経(ほけきょう)』(『久能寺経』、国宝)19巻、康治(こうじ)元年(1142)銘の錫杖(しゃくじょう)(国重要文化財)、県指定文化財の『大般若経(だいはんにゃきょう)』(旋風葉装折本)600巻などがある。[菅沼 晃]

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