鉤勒(読み)コウロク(英語表記)gōu lè

デジタル大辞泉 「鉤勒」の意味・読み・例文・類語

こう‐ろく【××勒/勾×勒】

中国画で、対象形態輪郭線でくくること。また、「鉤勒塡彩てんさい」のこと。

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精選版 日本国語大辞典 「鉤勒」の意味・読み・例文・類語

こう‐ろく【鉤勒・勾勒】

  1. 〘 名詞 〙 東洋画技法の一つ。細い線で輪郭を描き、その中を彩色すること。主に花鳥画で用いられ、中国蜀の黄筌(こうせん)大成没骨(もっこつ)とともに絵画の二大技法。双鉤(そうこう)。二重描(ふたえがき)かごがき。鉤勒法。鉤勒体。→黄氏体
    1. [初出の実例]「日本画は鈎勒あるも、油絵は之れなく、止だ色彩の輪郭区界あるのみ」(出典:美術真説(1882)〈フェノロサ〉)
    2. [その他の文献]〔芥子園画伝‐樹譜・諸家松柏柳樹法画柳各法〕

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改訂新版 世界大百科事典 「鉤勒」の意味・わかりやすい解説

鉤勒 (こうろく)
gōu lè

東洋絵画の技法の一つ。対象となるモティーフの形態の輪郭を筆線でくくることをいう。輪郭線を残さない〈没骨(もつこつ)〉に対する言葉であるが,輪郭線の内側色彩で充てんする場合が多く,それを〈鉤勒塡彩〉と呼び花鳥画の画法用語として頻出する。対象の明快な輪郭を要求するこの画法は,発生的には没骨に先行し,白描画と近い関係にある。一方,没骨は対象を濃淡グラデーションで把握する水墨画近縁にある。
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百科事典マイペディア 「鉤勒」の意味・わかりやすい解説

鉤勒【こうろく】

双鉤ともいう。東洋画の一技法で,没骨(もっこつ)の対概念。まず物の輪郭を描線でくくり,次いで彩色を施す比較的線本位の描法。黄筌(こうせん)始祖。→黄氏体
→関連項目李安忠

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普及版 字通 「鉤勒」の読み・字形・画数・意味

【鉤勒】こうろく

画法。双鉤法(かごがき)で形をとる。〔図絵宝鑑、五〕(元朝、張)善く竹を畫く。鉤勒法を作(な)し、當世に妙なり。

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