東北地方を南北に縦貫し、首都圏と結ぶ高速道路。管理は東日本高速道路。弘前(ひろさき)線(東北自動車道)と八戸(はちのへ)線(八戸自動車道)の2路線がある。(1)弘前線 起点の東京都練馬(ねりま)区から、関東平野を北上し、栃木県栃木市で北関東自動車道と接続する。さらに、宇都宮市を経て東北地方に入り、福島県郡山(こおりやま)市で東北横断自動車道いわき新潟線(磐越(ばんえつ)自動車道)と、福島市で計画路線の東北中央自動車道と接続し、宮城県村田町で東北横断自動車道酒田線(山形自動車道)を分岐する。仙台市を経て一般国道4号沿いに北上し、岩手県北上(きたかみ)市および花巻(はなまき)市で同釜石秋田線(秋田自動車道)と接続し、盛岡市を経て、秋田県小坂(こさか)町で計画路線の日本海沿岸東北自動車道に接続し、終点の青森市に至る。(2)八戸線 岩手県八幡平(はちまんたい)市で弘前線から分岐して、青森県八戸市を経て、青森市に至る。2路線の総延長865キロメートル。東京都練馬区―埼玉県川口市間は東京外環自動車道の一部となるため、事実上は川口市が起点である。練馬区―埼玉県和光(わこう)市間、川口市―宇都宮(うつのみや)市間は6車線、その他は4車線である。この道路は、東北地方の主要都市相互および首都圏との時間距離を大幅に短縮して、輸送の大動脈となり、沿線地域の開発を促進している。また、東北横断自動車道および東北中央自動車道の各路線とともに、東北各県を相互に結んで、東北地方の一体化に役だつことになる。
弘前線の練馬区―青森市間は1994年(平成6)に全線698キロメートルが開通。八戸線は2011年(平成23)12月時点で、八幡平市―八戸市間81キロメートルおよび青森市の16キロメートルが開通している。2010年度の1日平均利用台数は約29万台であった。
[下保 修]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
弘前線(東京~盛岡~岩手県安代(あしろ)~青森間698km)と八戸線(安代~八戸間68km)から成る日本最長の高速道路路線。弘前線(開通後の名称は東北自動車道)は1987年に,八戸線(同じく八戸自動車道)は89年にそれぞれ完成した。本自動車道とそれに並行する東北新幹線とは,北関東地方,東北地方を貫通する主要交通軸を形成し,地域発展の勢いはこの交通軸に沿ってしだいに北上している。とくに工業団地,物流拠点の形成,三大都市圏の市場をねらう野菜・果実の主産地形成などが目だっている。蔵王,磐梯朝日,栗駒,十和田八幡平などのすぐれた観光資源も国民に開かれつつあり,着工または計画中または一部開通した3本の東北横断自動車道によって,その波及効果はやがて東北地方全域に及ぶこととなろう。設計速度は80~120km/h,4車線(東京~鹿沼間は6車線)。白河以北では雪氷対策に力を注いでいる。1996年度利用台数は約28万台/日,料金収入は2135億円/年で,東名・名神に次ぐ主要幹線となった。
執筆者:武田 文夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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