高田平野(読み)タカダヘイヤ

デジタル大辞泉 「高田平野」の意味・読み・例文・類語

たかだ‐へいや【高田平野】

新潟県南西部に広がる平野。面積280平方キロメートル。中心都市は上越市で、上越米の穀倉地帯頸城くびき平野。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高田平野」の意味・わかりやすい解説

高田平野
たかだへいや

新潟県南西部、荒川(あらかわ)(上流は関川)流域に広がる平野。越後(えちご)の三大沖積平野の一つで、頸城平野(くびきへいや)ともよばれる。南北の長さ20キロメートル、面積280平方キロメートルで三角形を呈し、堆積(たいせき)面は放射状に流出する矢代(やしろ)川、別所(べっしょ)川、飯田(いいだ)川、保倉(ほくら)川などによって複合扇状地面を形成している。前面は頸城砂丘にふさがれてラグーン(潟湖(せきこ))地形をなし、川筋には妙高(みょうこう)市新井(あらい)地区、上越(じょうえつ)市が連続して上越臨海工業地帯を形成し、平野は上越米の穀倉地帯をなす。越後ではもっとも早く開発の進められた平野で、古代は越後国の国府、国分寺が置かれた久比岐郡(くびきぐん)の中心地で、里五十公野(さといじみの)、高士(こうし)あたりには条里遺跡も残る。近世初期には、谷口から関川の水を取り入れて山麓(さんろく)扇頂面に流し、上江(かみえ)、中江(なかえ)、稲荷江(いなりえ)などの用水路がつくられ、また寛文(かんぶん)年間(1661~1673)には砂丘裏のラグーン地形に大瀁(おおぶけ)潟湖干拓が進められ、多くの新田(しんでん)村が生まれた。第二次世界大戦後は頸城砂丘地帯を中心に頸城油・ガス田の開発が進み、上越臨海工業地帯が形成されている。

[山崎久雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「高田平野」の意味・わかりやすい解説

高田平野 (たかだへいや)

新潟県南西部,日本海に面する平野。東部と南部は米山(よねやま)山地,東頸城(ひがしくびき)丘陵,西は西頸城山地に囲まれ,妙高市の旧新井市中心部を頂点とするほぼ三角形状の沖積平野である。荒川が平野の西寄りに北流し,支流の矢代,飯田,保倉の各川が複合扇状地を形成しており,段丘化した南部は排水がよい。海岸には頸城砂丘が発達し,背後は低湿地となって潟湖群が見られ,江戸末期には砂丘に排水路の新堀川が掘削されて大潟が,また1973年には犀ヶ池(さいがいけ)が干拓された。平野の開発は条里制の遺構の見られることから古いと考えられるが,江戸時代に荒川上流の関川を水源とする上江,中江,下江,稲荷中江の用水路が開削され,穀倉地帯が形成された。砂丘地は江戸時代に植林され,海岸との間は明治以降開畑が進み,桑畑から野菜畑へと変わった。昭和30年代から主として海岸沿いに頸城ガス田の開発が本格的に始まり,耕地や松林が石油・ガス関連の工場に変わった所も多い。上越市高田地区が平野の中心をなし,直江津地区には臨海工業地帯が形成されている。北陸自動車道(1983開通)が平野北部,JR信越本線に沿って通じている。
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百科事典マイペディア 「高田平野」の意味・わかりやすい解説

高田平野【たかだへいや】

新潟県南西部,荒川と保倉川の沖積平野。上越平野,頸城(くびき)平野とも。日本海岸には頸城砂丘がある。上越米の主産地で,砂丘や周辺台地では畑作,果樹栽培も行われる。天然ガス田が開発され,荒川の電源開発とともに電気化学工業も発達。中心は上越市,新井市(現・妙高市)。
→関連項目新井[市]板倉[町]大潟[町]柿崎[町]上越[市]新潟[県]吉川[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高田平野」の意味・わかりやすい解説

高田平野
たかだへいや

別称上越平野,頸城平野。新潟県南西部,関川,保倉川の下流に広がる平野。面積約 280km2。西部は妙高火山,東部は東頸城丘陵に囲まれる。南部に複合扇状地が発達し,北部は保倉川三角州の低湿地帯で,頸城砂丘が広がる。日本海岸気候で,年降水量は上越市で 3000mmをこえ,多雪地帯。古くから開発され条里制遺構がみられる。上越米の生産地で,台地や砂丘では果樹などの栽培が行われる。関川上流の電源開発とともに電気化学工業が発達した。中心は上越市。

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