出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長野県北部,上水内(かみみのち)郡信濃町にある湖。斑尾(まだらお)山(1382m)の溶岩流による堰止湖で,古くはその湖岸線の形から芙蓉湖といわれた。面積4.4km2,周囲17.5km,最深部37m。集水面積は小さいが,湖底からの湧水量が豊富なため貯水量は多い。湖岸には竜宮崎,琵琶崎など48の岬があり,湖中北西部には弁天島(琵琶島)があって,景観は変化に富んでいる。また妙高山,黒姫山など北信五岳の眺めもすばらしい。湖の南西岸の神山には,外国人別荘地があるほか,西岸にはホテル,旅館やYMCAのキャンプ場などがあり,夏には避暑,水泳,ヨットなどの客でにぎわう。信越本線黒姫駅からバス15分。途中に俳人小林一茶の旧宅がある。7月下旬の野尻湖祭には3000個の灯籠が流され,花火が打ち上げられる。
執筆者:市川 健夫 1962年,古生物学者井尻正二の提言により湖底の発掘が始まった。大衆発掘方式を用い,76年の第6次発掘からは日本各地に友の会組織が確立した。3年ごとに延べ1万人規模の湖底発掘と,その次年度ごとの野尻湖周辺の台地の陸上発掘が定期的に行われ,発掘されたナウマンゾウの化石などの遺物は野尻湖ナウマンゾウ博物館に保管され,研究には広く門戸を開いている。この湖底の発掘によって,ナウマンゾウがウルム氷期まで生存し,日本で特殊化していたこと,ヤベオオツノシカとともに後期旧石器時代の狩猟対象であったこと,野尻湖が天然の狩猟・解体場であったことが知られている。約4万~3万年前の骨器文化から,ナウマンゾウの衰滅期にあたる杉久保型ナイフ形石器文化(約1万7000年前),さらに尖頭器文化を経て縄文草創期の土器をともなう細石器文化がきわだっている遺跡である。
執筆者:新堀 友行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
長野県北端、新潟県境に近い上水内(かみみのち)郡信濃町(しなのまち)にある湖。芙蓉湖(ふようこ)ともいう。面積4.4平方キロメートル、周囲14キロメートル、最深部38メートル。標高657メートルに位置し、東方の斑尾山(まだらおさん)の噴出物でせき止められてできたもの。湖岸は出入りに富み、東岸は絶壁をなし、湖中に琵琶島(びわじま)が浮かぶ。湖岸を一周する道路があるが、北西部の一角に飲食店や旅館があるほかは森林に囲まれている。西岸に大正末期から軽井沢の俗化を嫌って移住してきた外国人宣教師たちの約260戸からなる別荘村があり、その周囲は別荘地として開発が進んでいる。西方には妙高、黒姫、飯綱(いいづな)の三火山がそびえ、妙高戸隠連山国立公園の一部となっている。なお、湖底や湖岸からはナウマンゾウなどの化石が多数発掘されていて、野尻湖ナウマンゾウ博物館がある。しなの鉄道北しなの線(旧、JR信越本線)黒姫駅からバスの便がある。
[小林寛義]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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古くは信濃尻湖とも。長野県北端に位置する面積約4km2の火山堰止(せきとめ)湖。湖中の琵琶(弁天)島には宇賀神社や上杉謙信輩下の武将の墓などがある。西岸の神山一帯は,大正年間に外国人が別荘地を開き,国際村とよばれるに至った。1948年(昭和23)湖底からナウマン象の化石が発見され,以来数次の発掘によって,氷河期の人々の生活が解明されつつある。出土品は野尻湖博物館に保存・展示されている。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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