雪祭[新野](読み)ゆきまつり[にいの]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雪祭[新野]」の意味・わかりやすい解説

雪祭[新野]
ゆきまつり[にいの]

長野県南端部阿南町新野の伊豆神社で 1月14~15日に行なわれる祭り。中世的な田楽舞(→田楽)や翁猿楽(→猿楽)などが夜通し演じられる。14日の夕方,諏訪神社から伊豆神社へ,仮面を入れた面箱の行列があり,午後10時半頃から伽藍様(地主神)の祭りがある。15日午前0時を過ぎると,まず庁屋の板壁を棒で激しく打ちつける乱声(らんじょう)があり,恵比寿・大黒人形を乗せへさきに火をともした宝船をひもでたぐり寄せて大松明に点火する。その後,社殿から神社の庭に場所を移して,芸能が演じられる。まず始めに,右手にマツ,左手にうちわを持ち,男根型を女性に押しあてたりするサイホウが,続いてサイホウと同じいでたちで逆のことを行なうモドキが登場し,その後,張りぼてのウマを付けた競馬(きょうまん)とお牛に乗った宮司による弓射,翁,松影,正直切による翁舞,爺婆と娘役が性的所作をする神婆,太郎,次郎,三郎の天狗の鬼舞などと続く。最後は,志津目が獅子をしずめて朝を迎える。一連の演目が終わると,社殿奥では,太鼓に稲束を載せて田遊びが行なわれる。国指定重要無形民俗文化財。

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