霊仙山(読み)りようぜんさん

日本歴史地名大系 「霊仙山」の解説

霊仙山
りようぜんさん

鈴鹿山脈北端標高一〇八三・五メートルをピークとするカルスト地形をなす山で、山麓坂田郡犬上郡、岐阜県養老ようろう郡・不破ふわ郡にまたがり、俗に霊山とも称する。頂上部は南・中・北の三峰を有し、中霊山は別名きようつか峰とよばれ、付近に霊山寺や経塚があったと伝える。またドリーネ地質の俗称権現ごんげん池の前には霊山神社と記す扁額を掛けた鳥居があり、同池は山麓集落の雨乞神事の祭場という。登山口は坂田郡米原上丹生かみにゆう・同郡山東さんとう柏原かしわばら犬上郡多賀町霊仙にある。「興福寺官務牒疏」には同寺の末派に「霊山寺、在坂田郡丹生郷号中霊山僧房十八宇」とみえ、養老元年(七一七)泰澄が本尊盧遮那如来を安置して開き、神護景雲三年(七六九)宣教大師が山下に霊山寺七ヵ別院建立、弘仁二年(八一一)願安が再興して鎮守丹生神を南北両麓に二所祀った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「霊仙山」の意味・わかりやすい解説

霊仙山
りょうぜんざん

滋賀県中東部、犬上(いぬかみ)郡多賀町と米原(まいばら)市の境にある山。東海道本線醒ヶ井(さめがい)駅の南方約4キロメートルの位置にある。「りょうぜんやま」ともいい、霊山と書くのが正しいともいう。鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)北端にあり、標高は1094メートル。石灰岩からなるなだらかな高原状の山で、カルスト地形が多くみられる。山頂付近の御池(おいけ)はドリーネ跡と推定され、また山麓(さんろく)の芹(せり)川の谷には「河内(かわち)の風穴」とよばれる鍾乳(しょうにゅう)洞がある。北面と南面に五つの登山コースがあるが、醒井(さめがい)養鱒(ようそん)場を経て登る醒井コースが表登山道で利用者がもっとも多い。

高橋誠一


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「霊仙山」の意味・わかりやすい解説

霊仙山
りょうぜんざん

滋賀県と三重県の境にある鈴鹿山脈最北端の山。滋賀県多賀町米原市の境にあり,頂上は多賀町に属する。標高 1084m。全山石灰岩からなり,山頂はゆるやかな起伏の平坦面で,クマザサ,ススキの草原をなし,カルスト地形がみられる。山麓には「河内の風穴」がある。役行者 (→役小角 ) 開創の霊仙寺跡があり,眺望も優れ,琵琶湖国定公園に属する。

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デジタル大辞泉プラス 「霊仙山」の解説

霊仙山

鈴鹿山脈北端、滋賀県犬上郡多賀町と米原市の境にある山。“霊仙”は「りょうぜん」と読む。標高1094メートル。田中澄江の「花の百名山」に選定されている。

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事典・日本の観光資源 「霊仙山」の解説

霊仙山

(滋賀県米原市・犬上郡多賀町)
近江三山」指定の観光名所。

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