魚群を集める目的で設けられた海岸沿いの森林。保安林の一つである。魚付林の効果として,(1)豊富に栄養塩類を流したり有機物を供給してプランクトンの繁殖を促す,(2)森林が海面に落とす影が,魚類の休息・産卵に適した環境をつくる,(3)森林があることによって,魚類の嫌う刺激性の反射光線が生じない,などが挙げられている。魚付林には古くからたいせつに守られてきたものも多かった。たとえば京都の伊根村城山の魚付林は,嘉永年間に伐採され漁獲量を減じたが,その後村民の申合せにより森林の伐採を禁じ保護を続けた。兵庫の旧城崎郡港村でも沿岸山林の乱伐の結果漁獲量が減じたが,保安林になり樹木が繁茂してからは漁獲を増した。最近では海岸の風景林や保健林としての価値が高くなっている。休日に釣りをする遊漁人口も増加し,瀬戸内海,相模湾など都市に近い海岸では“魚をつける”意義が高い。
執筆者:筒井 迪夫
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