渡す(読み)ワタス

デジタル大辞泉 「渡す」の意味・読み・例文・類語

わた・す【渡す】

[動サ五(四)]
人や荷物を舟で向こう岸に運ぶ。「船で人を―・す」
物の上を越えて、一方から他方へ物がとどくようにする。またがらせる。かける。「橋を―・す」「綱を―・す」
こちらの手から相手の手へ移す。手渡す。「書類を―・す」「バトンを―・す」
自分の持っているもの、権利などを他の人に与える。「土地を人手に―・す」
人や物を他の場所に移す。
「明け暮れながめ侍る所に―・し奉らむ」〈若紫
通りなどを歩かせる。引きまわす。
られし人々は、大路を―・してかうべをはねられ」〈平家灌頂
馬で、川などを渡る。
「この御馬で宇治川のまっ先―・し候ふべし」〈平家・九〉
神仏の力で、迷っている人々を救う。済度する。
「人―・すことも侍らぬに」〈・東屋〉
(他の動詞の連用形に付いて)その動作が行き渡るようにする。「見―・す」「張り―・す」
[可能]わたせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「渡す」の意味・読み・例文・類語

いわたら‐・す【渡す】

連語〙 (「い」は接頭語。「す」は上代尊敬助動詞) 渡っておいでになる。お渡りになる。
書紀(720)神代下・歌謡天離(あまさか)る 鄙(ひな)つ女(め)の 以和多邏素(イワタラス)瀬戸 石川片淵」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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