デジタル大辞泉
「FTA」の意味・読み・例文・類語
エフ‐ティー‐エー【FTA】[fluorescent treponemal antibody]
《fluorescent treponemal antibody》⇒蛍光抗体法
エフ‐ティー‐エー【FTA】[free trade area]
エフ‐ティー‐エー【FTA】[free trade agreement]
エフ‐ティー‐エー【FTA】[fault tree analysis]
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FTA【エフティーエー】
自由貿易協定Free Trade Agreementの略称。物とサービスの貿易の自由化を進め,関税などさまざまな障壁をなくして,市場を統合し,経済成長を高めることをめざす。日本は関税撤廃のほか,投資ルール,人の移動などの国内規制も交渉範囲に入れて,経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)も進めている。世界各地域では,ヨーロッパ連合(EU),北米自由貿易協定(NAFTA),南米南部共同市場(メルコスール)をはじめ,2国間のものも含め,200以上に及ぶFTAが成立している。世界貿易機関(WTO)の場での交渉は各国間の意見の対立のため遅れがちになり,2国間のFTA交渉が優先されている。2008年のアメリカ金融危機に端を発した世界同時不況による世界経済成長の失速のなかでブロック化と保護政策の進行が懸念され,FTAの今後の展開はさらに予断を許さない状況となっている。日本は従来,FTAによる経済のブロック化に反対してきたが,2002年シンガポールとのFTA締結以後,経済活性化のためにFTAを重視するようになり,メキシコ(2004年),マレーシア(2005年),フィリピン(2006年),チリ(2007年),東南アジア諸国連合(ASEAN,2007年基本合意,2008年より順次発効)などと基本合意に達した。2011年韓国がアメリカとFTAを締結したことによって,この動きは加速され,日・中・韓三国のFTA実現に向けて交渉を本格化させる機運が出てきた。2012年11月ASEAN関連首脳会議の機会に,日中韓経済貿易大臣会合が開催され日中韓FTA交渉開始が宣言された。また,日本は2012年4月,ASEANが提唱する〈東アジア包括的経済提携協定〉(RCEP)への参加交渉を年内に開始すると表明,同じく11月のASEAN関連首脳会議の機会にRCEP交渉立ち上げ式が行われた。日本・中国・韓国のFTA交渉は2013年3月から具体的に始まったが,各品目の関税率を決める関税交渉の進め方が決まらず議論に入っていない。
→関連項目アイスランド|経済連携協定|シンガポール(国)|TPP|フィリピン|マレーシア|メキシコ(国)
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FTA
えふてぃーえー
複数の国や地域の間で、貿易・投資の自由化や人的交流の拡大など経済関係の緊密化・円滑化を目的に結ぶ自由貿易協定。Free Trade Agreementの略称。鉱工業品や農畜産物の関税撤廃・引下げ、サービス貿易の障壁解消を中心とし、人材移動、投資ルール、知的財産保護、競争政策、環境保護、テロ防止など幅広い項目を盛り込んだ包括的条約である。最近はTPP(環太平洋経済連携協定)、日本・EU経済連携協定、RCEP(アールセップ)(東アジア地域包括的経済連携)など経済大国を含む複数の国・地域が広域で結ぶメガFTAが増えている。日本は2021年(令和3)1月時点で、21のFTAを締結(署名済みを含む)し、貿易額全体に占める締結国・地域との比率は2020年11月時点で約79%。なおEPA(Economic Partnership Agreement、経済連携協定)はFTAと同じ概念である。
[矢野 武 2021年4月16日]
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知恵蔵
「FTA」の解説
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
FTA
自由貿易協定。2国間または地域間(多国間)で交わした協定により、関税や非関税障壁を相互に撤廃し、自由貿易を行うための取り決め。現在ではモノだけでなく、サービスや投資なども対象とした広範囲な分野での取引の自由化が含まれる場合もある。知的財産や投資、労働力の受け入れなどまでを対象分野に含んだものをEPA(経済連携協定)と呼ぶが、FTAとの厳密な区別化は難しい。日本はシンガポール、メキシコ、フィリピン、タイなどと2国間の協定を結んでいる。主な地域間FTAに、EU(欧州連合)、NAFTA(北米自由貿易協定)、メルコスール(南米南部共同市場)などがある。
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FTA
自由貿易協定。関税やサービス分野の規則等を撤廃し、モノやサービスの貿易の自由化を図ることを目的としている協定。
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出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
世界大百科事典(旧版)内のFTAの言及
【安全性】より
…信頼性解析ですでにFMEAが実施されていれば,安全性の見地から致命度の再評価を行い,安全性上必要な解析を追加した場合は〈故障ハザード解析〉といわれる。
[故障の木解析――フォールトツリーアナリシスfault tree analysis(略称FTA)]
FTAは,その発生が好ましくない事象(出力)を頂点に取り上げ,木の枝のようにしだいに源泉の方に図式に展開して,その発生源(入力)およびその発生経路を解析する方法で,すべての入力の発生確率が定量的に推定できる事象(基本事象という)まで分解できると定量的に出力を推定することができる。
[事象の木解析――イベントツリーアナリシスevent tree analysis(略称ETA)]
ETAは,FTAとは逆に構成要素に故障(入力)が発生したとして,時間の経過をたどり,どんな事象(出力)に発展するかを解析する図式解法で,各事象の発生確率が推定できると定量的な解析もできる。…
※「FTA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」