コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

KS鋼 ケーエスこう KS steel

5件 の用語解説(KS鋼の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

KS鋼
ケーエスこう
KS steel

1916年本多光太郎により発明された焼入れ硬化型磁石鋼。標準組成は炭素 0.9%,クロム3%,コバルト 35%,タングステン5%,残りが鉄である。最大残留磁束密度 7000ガウス,保磁力 250エルステッドで,当時世界最強の永久磁石性能をもち,本多の名を世界に高からしめた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ケーエス‐こう〔‐カウ〕【KS鋼】

KS磁石鋼

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

KS鋼【ケーエスこう】

1917年本多光太郎が発明した磁石鋼。成分は鉄のほかコバルト35%,クロム3〜6%,タングステン5〜6%,炭素0.9%。発明当時世界最強の磁石鋼であったが,1931年にMK鋼にとってかわられた。
→関連項目磁性材料

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

ケーエスこう【KS鋼 KS steel】

1917年に本多光太郎と高木弘によって発明された磁石鋼。成分はコバルト35%,クロム3~6%,タングステン5~6%,炭素0.9%である。19世紀には強い永久磁石を作るには,鋼を焼入れして硬くして磁石とするという考え方であった。はじめは炭素鋼を使っており,永久磁石の性能の指標となる保磁力は60エルステッド程度であった。その後タングステンやコバルトを添加した鋼が発明され,特性がよくなっていった。この流れのなかでの重要な発明がKS鋼であって,保磁力が約250エルステッド,当時の合金鋼磁石(タングステン鋼)の3倍以上あって,世界の注目を集めた。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

KS鋼
けーえすこう
KS magnet steel

1916年(大正5)本多光太郎(こうたろう)、高木弘(東北帝国大学)によって発見された永久磁石の名称。K、Sの名は、この研究費を寄贈した住友吉左衛門(きちざえもん)の頭(かしら)文字をとったものである。コバルト30~35%、タングステン6~8%、クロム1.5%、炭素0.8%を含む特殊鋼で、約950℃から焼入れして、高い硬度をもつマルテンサイトとする。その残留磁束密度は約1.1テスラ、保磁力は約20キロアンペア毎メートル、最大エネルギー積は単位立方メートル当り8キロジュールであって、当時世界最強の永久磁石であった。炭素鋼の場合でも、焼入れによって4~5キロアンペア毎メートル程度の保磁力が得られ、磁石となる。KS鋼はそれに比較して数倍も高い保磁力を示し、これが最大エネルギー積を高め、強力な永久磁石材料とした。保磁力の増加は、添加された元素と熱処理によるものであるが、とくにコバルトの添加による鉄の磁気ひずみの増加がその主因であると考えられている。KS鋼の発見以来、これまで次々と強力な新しい永久磁石材料が開発されてきた。そのため現在ではKS鋼は永久磁石としてほとんど使用されていない。しかし、KS鋼の発見は永久磁石材料の開発の歴史上の原点として、その成果は高く評価されている。[本間基文]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のKS鋼の言及

【特殊鋼】より

…(3)用途・特性による分類 (a)一般構造用鋼 低合金高張力鋼,強靱(きようじん)鋼,超強力鋼など,(b)機械構造用鋼 肌焼鋼快削鋼ばね鋼,ベアリング鋼,耐摩耗鋼など,(c)工具鋼 低合金工具鋼,高速度鋼,ダイス鋼,鍛造用形鋼,(d)耐食鋼 耐候鋼,耐硫酸鋼,耐水素誘起割れ鋼,ステンレス鋼,超合金耐食鋼など,(e)耐熱鋼Cr‐Mo鋼,ステンレス鋼,超合金耐熱鋼など,(f)特殊用途鋼 永久磁石鋼,電磁鋼板,制振鋼板,低温用鋼,非磁性鋼など(表2に用途別の種類をまとめて示す)。(4)有名な通称をもつ鋼 (a)KS鋼 本多光太郎の発明したCo‐Cr‐Wを成分とする永久磁石鋼で,焼入れをして使う。住友吉左衛門の頭文字にちなんで命名,(b)MK鋼 三島徳七の発明したAl‐Ni‐Coを成分とする永久磁石鋼で,鋳造法で製造する。…

【本多光太郎】より

…その結果,セメンタイトのA0(磁気)変態点を確認し,鉄のA2変態が相変態ではなく磁気変態であることを確証して,β鉄論争に決着をつけた(1916,帝国学士院賞)。第1次大戦中より大学への研究所設置に努力し,16年東北帝大に新設の臨時理化学研究所第2部の研究主任となり,同年高木弘の協力で強力な永久磁石鋼KS鋼を発明した。本多はこの研究所の業績を社会へ紹介し,その拡充に努めた(1919年鉄鋼研究所,22年金属材料研究所)。…

※「KS鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

KS鋼の関連キーワード本多光太郎本多KS磁石鋼新KS鋼大久保準三岡村俊彦北川太一曾禰武本多光忠本多光典

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

KS鋼の関連情報