躑躅(読み)ツツジ

デジタル大辞泉 「躑躅」の意味・読み・例文・類語

つつじ【躑躅】

ツツジ科ツツジ属の植物総称常緑または落葉性の低木、まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の5裂した花が咲く。園芸種も多く、ヤマツツジサツキレンゲツツジミツバツツジなどがある。ツツジ科の双子葉植物は約4100種あり、温帯・寒帯地域および熱帯高山に分布し、シャクナゲアセビコケモモエリカなども含まれる。 春》「―いけて其蔭に干鱈ひだらさく女/芭蕉
かさねの色目の名。表は蘇芳すおう、裏は萌葱もえぎまたは紅色。
[類語]蓮華躑躅三つ葉躑躅黒船躑躅山躑躅久留米躑躅・玄海躑躅

てき‐ちょく【××躅】

足踏みすること。ためらうこと。
つつじ

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精選版 日本国語大辞典 「躑躅」の意味・読み・例文・類語

つつじ【躑躅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ツツジ科ツツジ属の低木のうち、全部もしくは一部が落葉するもの。北半球の温帯などに広く分布して約五〇〇種あり、ヤマツツジ、ミツバツツジ、レンゲツツジなど日本には約五〇種が自生する。古くから庭園に栽培され、園芸品種も非常に多い。高さ〇・三~三メートル。枝をよく分け、葉は互生し、まれにふちに小鋸歯(きょし)を持つものがある。小枝や葉にはあらい粘毛を生じる。春から夏にかけ、枝先に小柄のある先が五裂した漏斗状の花が数個集まって咲く。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「つつしの木ども北になみたちて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
  3. (かさね)の色目の名。表は白、裏は蘇芳(すおう)または二藍(ふたあい)。冬の下襲(したがさね)女房の袿(うちき)に用いる。躑躅襲。つつじの衣。
    1. [初出の実例]「わらはにつつじのこうちぎ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)

てき‐ちょく【躑躅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てきぢょく」とも )
  2. ( ━する ) 足ぶみすること。じだんだをふむこと。〔いろは字(1559)〕 〔荀子注‐礼論〕
  3. ( ━する ) ためらうこと。たゆたうこと。ちゅうちょ。
    1. [初出の実例]「始則躑躅於胸臆之間。漸以流離於脣吻之外」(出典本朝文粋(1060頃)九・詩者志之所之詩序〈菅原文時〉)
    2. [その他の文献]〔古詩‐為焦仲卿妻作〕
  4. 植物「つつじ(躑躅)」のこと。
    1. [初出の実例]「てきちょくは夜遊の人の折りをえて」(出典:車屋本謡曲・雲雀山(1505頃))
    2. [その他の文献]〔王建‐宮詞〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「躑躅」の解説

躑躅 (ツツジ・テキチョク)

植物。ツツジ科ツツジ属の常緑・落葉低木の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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