n-p接合ともいう.半導体中でp型領域とn型領域が接して障壁を形成している部分をいう.原料となる半導体はGeやSiが主であるが,化合物半導体も使われ,また同一の材料を用いた同種接合(ホモ接合)と異種の材料を組み合わせた異種接合(ヘテロ接合)がある.この接合部では,熱平衡状態でp型領域とn型領域のフェルミ準位が同一レベルとなり,その境界部分に遷移領域ができる.この部分では,イオン化したドナーやアクセプターのため,コンデンサーを形成するとともに,両領域の静電ポテンシャルの差による拡散電位を発生し,種々の電気的特性を示す.p-n接合のもっとも重要な特性は整流性であって,図においてp型領域に正,n型領域に負の電圧を加えると,p型領域中の多数キャリヤーである正孔はn型領域へ,またn型領域中の電子はp型領域へ注入されるため,電流は流れやすい(順方向).次にp型領域を負,n型領域を正にするように電圧をかければ,少数キャリヤーが他領域へ流れ込むことになるので,電流は流れにくい(逆方向).また,この遷移領域に禁止帯幅以上のエネルギーをもった光を照射して電子-正孔対を発生させると,接合部に存在する電場のため,電子はn型領域へ,正孔はp型領域へ移動する.したがって,p型領域は正,n型領域は負に帯電し,光起電力効果を生じる.p-n接合は,整流作用を用いるダイオードやトランジスター,光起電力効果を用いる光電池,静電容量が印加電圧によって変化することを用いたバラクター,順方向電流の注入による発光を用いたレーザーなどに利用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…例えば,n型半導体とp型半導体を接触させると,前者から後者へ電子が移り,図3のような状態で熱平衡に達する。この二つの半導体を,単なる接触でなく,つなげたものをp‐n接合と呼び,pからnへの方向には電流を通すが,逆方向には通しにくいという整流作用をもつので重要である。【黒沢 達美】。…
※「pn接合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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