Z旗(読み)ゼットキ

デジタル大辞泉 「Z旗」の意味・読み・例文・類語

ゼット‐き【Z旗】

万国船舶信号旗のZに相当する旗。2本の対角線で4分され、黄・黒・赤・青の4色に染め分けられている。旧日本海軍では、「皇国興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」の信号旗であった。
[類語]白旗赤旗手旗社旗錦旗錦の御旗弔旗半旗反旗ペナント

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精選版 日本国語大辞典 「Z旗」の意味・読み・例文・類語

ゼット‐き【Z旗】

  1. 〘 名詞 〙 万国船舶信号旗のZに相当する旗。二本の対角線で四分され、黄(上)・黒(左)・赤(下)・青(右)の四色に染め分けられている。緊急事態に処するための大いなる努力の要求を意味し、旧日本海軍では、日露戦争日本海海戦以来「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」との趣旨の信号文にあてられた。〔モダン常識語辞典(1935)〕

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百科事典マイペディア 「Z旗」の意味・わかりやすい解説

Z旗【ゼットき】

国際信号書による文字旗(旗旒(きりゅう)信号)のZ。日露戦争における日本海海戦で連合艦隊司令長官東郷平八郎が,特定信号書でこの旗に〈皇国ノ興廃(こうはい)コノ一戦ニ在(あ)リ,各員一層奮励努力セヨ〉の信号文を当て,戦闘の開かれようとするとき旗艦三笠マストに掲げて有名となった。このため一般にも危急存亡をかけた事柄の開始の際などに〈Z旗が上がった〉と称するようになった。→

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「Z旗」の意味・わかりやすい解説

Z旗
ゼットき

船舶旗旒信号でZを表す旗 (→信号旗 ) 。日露戦争の日本海海戦で,戦闘開始にあたって連合艦隊の旗艦『三笠』に掲げられ,有名になった。このときZ旗には「皇国ノ興廃コノ一戦ニアリ,各員一層奮励努力セヨ」という信号文があてられていた。第2次世界大戦でも真珠湾攻撃マリアナ沖海戦レイテ湾海戦の際に,Z旗が掲げられ,一般に「最後奮闘を期する」という場合に「Z旗を掲げる」と表現するようになった。

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