日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンラン(橄欖)」の意味・わかりやすい解説
カンラン(橄欖)
かんらん / 橄欖
[学] Canarium album Raeusch.
カンラン科(APG分類:カンラン科)の常緑高木。中国原産で、ムクロジに似る。魚の骨が刺さったのを治すとの説から、和名ウオノホネヌキという。葉は互生し複葉で、小葉は長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形、全縁で硬い。花は白色の小花で、葉腋(ようえき)の短い枝に総状につき、開く。萼(がく)は浅く3裂し、花弁は直立する。果実はモクセイ科のオリーブに似ており、卵状楕円形で長さ2.5センチメートル、秋に熟して下垂する。核果は熟しても緑色なので緑欖(りょくらん)ともいわれる。中国でオリーブに橄欖の字をあてるので、混同されることがある。日本へは江戸時代に渡来し、種子島(たねがしま)などで植栽される。果実は生食、塩漬け、蜜(みつ)漬けにするほか、果実酒にして滋養剤とする。種子は欖仁(らんにん)といい、中国料理に用いる。
[古澤潔夫 2020年9月17日]