デジタル大辞泉
「捲土重来」の意味・読み・例文・類語
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けんど‐ちょうらい【捲土重来】
- 〘 名詞 〙 ( 「ちょう」は「重」の漢音。「捲土」は土煙をまき上げること。勢いのものすごいさま ) 一度失敗した者が、再び勢力を盛り返して来ること。一度負けた者が勢力を盛り返して攻め寄せること。けんどじゅうらい。
- [初出の実例]「而して後ち捲土重来の勢を以てニイチェの塁に迫り来れ」(出典:馬骨人言を難ず(1901)〈登張竹風〉)
- [その他の文献]〔杜牧‐題烏江亭〕
けんど‐じゅうらい‥ヂュウライ【捲土重来】
- 〘 名詞 〙 ( 「じゅう」は「重」の慣用音 ) =けんどちょうらい(捲土重来)
- [初出の実例]「常陸山も五日目〈略〉二度目の敗を取り、是又発奮して捲土重来(ケンドヂウライ)を策してゐる」(出典:相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸山、梅ヶ谷時代の壮観)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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捲土重来
一度負けた者が勢力を盛り返して攻め寄せること。一度失敗した者が再挑戦すること。
[活用] ―を期する。
[使用例] 法皇を無理にも北陸におつれして、捲土重来を期したい。叔父君にも是非同道を願いたい[丹羽文雄*新版 親鸞|1973]
[使用例] 少なくとも三匹は生れるだろうと、仔猫を上げる先を決めたりしていた飼主はあてがはずれてしまった。そこで捲土重来を期して、もう一度という段取りになったのである[向田邦子*無名仮名人名簿|1980]
[使用例] 今日は大人しく支度部屋へ下つて、明日からの土俵に捲土重来を期せばよろしい、とさう思つたのである[井上ひさし*東京セブンローズ|1999]
[解説] 「捲土重来」ということばが使われているのは、唐代の詩人・杜牧の「烏江亭に題す」という詩です。この作品には、劉邦との戦いに敗れて自決した項羽のことが詠まれています。
項羽は命を絶ってしまったが、勝敗は時の運というもの。一度戦いに敗れても、恥を忍んで生きることも必要だ。項羽の郷里には優秀な味方も多いはずだ――という内容です。最後はこう結びます。
「巻土重来、いまだ知るべからず」(=もし、再び戦ったら、結果はどうなるかわからない)。
「巻」の字になっていますが、「捲土重来」と同じ。土けむりを巻き上げて再び来る、つまり再挑戦ということです。
「ちょうらい」は「じゅうらい」と読んでもかまいません。どちらの読みも戦前から使われています。
ドラマの主人公が「じゅうらい」と発音したら、相手が「『ちょうらい』ですわよ」と訂正していました。これは知ったかぶりです。実は両方正しいのです。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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捲土重来
けんどじゅうらい
一度戦いに負けた者が、勢いを盛り返して、ふたたび攻めてくること。「けんどちょうらい」とも読む。「捲土」は土煙をあげるほどの激しい勢い、ようすをいう。転じて「捲土重来を期す」などといって、一度失敗した者が猛烈な意気込みでふたたびやり直すことをいう。中国、唐の詩人杜牧(とぼく)が秦(しん)末の武将項羽の自害を悼んだ詩「烏江亭(うこうてい)に題するの詩」に、「勝敗は兵家期すべからず、羞(しゅう)を包み恥を忍ぶ是(これ)男児、江東の子弟才俊多し、捲土重来未(いま)だ知るべからず」とある。
[田所義行]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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捲土重来
捲土は人馬が土を巻き上げること。敗戦の後、ひと度は去って勢力を回復して、再び攻め返すこと。
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
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