金鼓(読み)きんこ

精選版 日本国語大辞典 「金鼓」の意味・読み・例文・類語

きん‐こ【金鼓】

〘名〙 (「金」「鼓」は共に古代中国の楽器)
① 鉦(しょう)太鼓。鉦や太鼓。
文徳実録‐天安二年(858)五月癸亥「於侍従殿始置漏水。糺院外漏刻之誤、但無金鼓
太平記(14C後)二四「金鼓(コ)を打て、見聞の衆を集め給ふ」 〔司馬相如‐子虚賦〕
戦陣で、指揮に用いる陣鉦(じんがね)陣太鼓
※蕉堅藁(1403)東営秋月「連海風雲惨、振山金鼓雄」 〔春秋左伝‐僖公二二年〕

こん‐ぐ【金鼓】

〘名〙 (「こん」「く」はそれぞれ「金」「鼓」の呉音)
① 仏語。金属製の楽器の一種衆人を召集するために鳴らすもので、寺門仏堂正面の梁(はり)などにかける。〔大唐西域記‐四〕
仏具の一つ。鉦鼓(しょうこ)別称
※文徳実録‐天安二年(858)五月癸亥「於侍従殿、始置漏水、糺院外漏刻之誤。但無金鼓
鰐口(わにぐち)の別称。金口(こんく)。〔箋注和名抄(1827)〕

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デジタル大辞泉 「金鼓」の意味・読み・例文・類語

きん‐こ【金鼓】

しょうと太鼓。
「―を打って見聞けんもんの衆を集め給ふ」〈太平記・二四〉
戦陣で命令伝達に用いる陣鉦じんがねと陣太鼓。
「耳をつらぬく―の響」〈浄・太功記

こん‐く【金鼓】

《「こんぐ」とも》仏教の楽器の一。銅製、平たい円形中空。仏堂で架に取り付けて打ち鳴らす。また、僧侶布教のとき首にかける鉦鼓しょうこのこと。ひらがね。わにぐち。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「金鼓」の解説

きんこ【金鼓】

奈良の日本酒。酒名は、万歳好きの初代が三河万歳の一節「万歳の祝うて打てや金つづみ」にちなみ命名。蔵付き酵母を使用し、山廃仕込み醸造。大吟醸酒純米大吟醸酒、純米吟醸酒、純米酒、本醸造酒などがある。平成3、4、7年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、五百万石、ひのひかりなど。蔵元の「大倉本家」は明治29年(1896)創業。平成12年(2000)休造。同15年(2003)醸造再開。所在地は香芝市鎌田。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

普及版 字通 「金鼓」の読み・字形・画数・意味

【金鼓】きんこ

鐘鼓。

字通「金」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の金鼓の言及

【ゴング】より

…ゴングの名称はマレー語に由来するといわれるが,この種の楽器は東南アジア一帯と中国およびその周辺で広く用いられている。日本の鉦鼓,鉦盤,伏鉦(ふせがね),当り鉦(あたりがね),双盤はすべてゴングの一種で,また金鼓(こんく∥こんぐ)の別名をもつ鰐口(わにぐち)はゴングを最中(もなか)の皮のように二つ合わせた形状を呈している。実際にゴングに分類され得る体鳴楽器の形状は,浅い円盤状,深目の盆状,鉦鼓のごとく外側へ折り曲げられた縁をもつもの,中央に瘤状の突起をもつもの,さらに深く底の広い釜を伏せたような形(頂上に乳頭状の突起をもつ)などさまざまである。…

【鰐口】より

…寺社で用いる金属製打楽器。金鼓(こんく)(金口)ともいう。鋳銅製が一般的だが,鋳鉄製のものもある。…

※「金鼓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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