デジタル大辞泉
「どっと」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
どっ‐と
〘副〙
①
多人数が一度に声をあげるさま、高く笑うさまを表わす語。どっとと。どと。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「西の
河原に時をどっとつくること三ケ度なり」
※虎明本狂言・
老武者(室町末‐近世初)「一度にどっとぞわらひける」
② 人や物が一度にたくさんおしよせ、または集まるさまを表わす語。
※漢書列伝景徐抄(1477‐1515)「あまりをそろしげな者がどっと
きたほどに」
※門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉四「忘れるほどのお参りなら何うでもいい、溜めて置いて一度にドット拝みなせえ」
③ 水などが一時にたくさんみなぎりあふれるさまを表わす語。
※内地雑居未来之夢(1886)〈
坪内逍遙〉一三「錨の陰にありし婦人の
死骸は、たちまちドッとばかり押流されて」
④ 風や雨が急に強く、吹いたり、降ったりするさまを表わす語。どっとと。
※
狂歌・銀葉夷歌集(1679)三「
蕨縄もわらひやせまし椽先にとっと吹出す荻の声かな」
※いさなとり(1891)〈
幸田露伴〉四九「降り来
(きた)る大粒の雨〈略〉どっと降り出して休
(や)みさうな様子もなし」
⑤ にわかに寝るさま、また、病気が急に重くなって床につきっきりになるさまを表わす語。
⑥
景気のよいさま、はなばなしいさま、すぐれているさまなどを表わす語。多く、下に
否定の
表現を伴って用いる。→
どっとしない。
※
浄瑠璃・曾我虎が磨(1711頃)上「
此上に五郎様が見へたればどっといふた正月じゃ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報